NASAが全面協力した理由とは アポロ11号の発射責任者をフィーチャーした特別映像公開 映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』
1969年のNASAを舞台にアポロ11号の月面着陸の裏側で“起きていたかもしれない”極秘ミッションを痛快に描く、映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』。この度、本作のキャスト、スカーレット・ヨハンソンとチャニング・テイタムが、NASAの発射責任者コールについて語る特別映像が公開された。 この度公開された特別映像では、コールを演じたチャニング・テイタムが「不可能に挑戦する人を演じられて楽しかった。コールは月面着陸計画の責任者だ」と語る。 失敗続きのNASAのコールのもとに、ある日、NASAのイメージアップとアポロ11号による“月面着陸”をアメリカの国民的イベントにするために雇われたPRのプロ、ケリー(スカーレット・ヨハンソン)が現れる。ケリーは実直なコールにとって「突然現れて引っかき回す」存在。コールとNASAがアポロ11号の発射準備を進めていく中、ケリーには極秘任務が与えられる。政府関係者のモー(ウディ・ハレルソン)は彼女に「月面着力を“偽造”しろ」と命じて‥‥。 1969年、全世界が注目したアポロ11号の“月面着陸”、その裏側を描く本作ではNASAの全面的な協力が実現。実際にアポロ計画で重要な役割を果たしたNASAの技師たちがアドバイザーを務めている。「月面着陸のフェイク映像の撮影」という極秘ミッションを題材にしていながら、なぜNASAの協力が実現したのか。 本作の制作にあたり、NASAの協力を得ることはできるのか、製作スタッフたちの間でも意見が割れた。だが、脚本とストーリーを客観的に捉えたNASA関係者は、実際に極秘計画があったかどうかではなく、この映画が描く登場人物たちの仕事への献身と月への夢はすべて本物なのだと解釈したという。バーランティ監督はNASAのサポートが実現した経緯について、「NASAは、私たちの“成し遂げられたことを称えたい”という気持ちを分かってくれていたのだと思います。この映画をアポロ計画に携わった40万人の人々を称える機会だと捉えてくれたのです」と語る。 NASAのアドバイザーのひとりジェリー・グリフィンは、アポロ有人ミッションで宇宙管制センターのフライト責任者を務め、6回の月面着陸のうち、3回の着陸を行ったチームを指揮した。グリフィンは「これまでで最高の仕事は、宇宙管制センターのフライト責任者でした。あの数年間は大成功を収めた年で、私たちが本気を出せば、この国はどんな力でも発揮できることを示していました」と、NASAの全職員が一丸となったアポロ計画の偉業を振り返る。 劇中、発射責任者コールは過去の重大な事故に悩まされる。それは、1967年、アポロ1号の予行演習中に宇宙飛行士3名の命を奪った火災。NASAの主任歴史学者であるブライアン・オドムは、「アポロ1号、あの日の火災、そして火災の余波で、NASAは立ち止まっていました。私たちは何をしているのか、無理をしすぎているのではないか、スケジュールは進んでいるのか。宇宙船を設計するという難題に応えるために、品質管理の一部はある種、遅れをとっていました」と、この事故によってアポロ計画は頓挫の危機を迎えたと指摘する。「今日を振り返る際、アポロ1号の火災は大切なリマインダーです。悲劇の教訓を失ってはなりません。だからこそ、NASAはこれらすべてのミッションの追悼日に祈りを捧げます。悲劇から学び、心に留めておくためです」と、悲劇が決して忘れてはならない教訓となり、亡き飛行士たちへの思いがその後のNASAを奮い立たせ、アポロ計画の有人ミッションへの成功につながったと語っている。 映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』は、2024年7月19日(金)より全国の映画館で公開。
otocoto編集部