しまむらスリッパ「ぴた、さら」で中毒者続出 100万足超えのワケ
終わりなき「不満解消」
毎年、機能をブラッシュアップしているのも、売り上げ急伸に貢献している。新生スリッパが誕生した翌21年には甲裏に吸水速乾のメッシュ生地を採用し、22年、モニタリングを基に足の入れやすさを改善。23年にはインソールに使うメッシュ素材について独特のざらつきを抑えて、はだしでの履き心地をアップ。24年には厚底タイプのアウトソールにも通気孔をつけている。 「前年よりも機能を高めることに挑戦している。消費者の不満を絶えず解消して、売り上げを伸ばしていく考えだ」(柳澤氏) 豊富なデザインも、スリッパのミリオンセラー達成を支えている。一般的なスリッパは無地やボーダー柄、チェック柄が多いが、しまむらのFIBER DRYさらっとドライスリッパはサンリオの「ハローキティ」や「シナモロール」のようなキャラクターや刺しゅう入りなど年間100パターンのデザインを扱う。飽きさせない商品展開によるリピート買いの後押しが成功している。 工場とのダイレクトなやり取りで、改善依頼をすると早ければその日のうちにサンプルを確認でき、発注から45日程度で店頭に並ぶ。柳澤氏によれば「この機動力を生かしてシーズン中に新しいデザインをどんどん投入していて、約7割は1年で入れ替える」という。
中城 邦子