南房総の寺院で書道パフォーマンス 住職と書家が「龍」を筆で表現(千葉県)
南房総市千倉町忽戸の青龍山能蔵院で、山号の「龍」にちなんだ書道パフォーマンスが26~28日の3日間にわたり行われた。星芳隆住職(52)と都内で活動する書家の北村多加さん(51)が共同で“龍が地上に現れ人々に知恵を授け空へと舞い戻る様子”を書で表現。訪れた多くの人がその世界観に引き込まれた。 書道パフォーマンスは、御朱印の墨入れなどで普段から書に親しんでいる星住職が、もっと書を自由な形で表現したいと思い立ったのがきっかけ。 北村さんは、都内で書道教室を営む傍ら、各地で書道を用いたパフォーマンスを披露。安房地域ではこれまでに館山市の城山公園や南房総市内のイベントで、たびたびその腕前を披露している。
3日間の日程で行われたパフォーマンスでは、日ごとに異なるテーマが設けられ、初日は龍が地上に舞い降りる様子を表した「朔」という字をしっとりとした筆遣いで、2日目は龍が知恵を降り注ぐさまを表す「慧」を力強い字体で、それぞれ北村さんが書き上げた。 最終日は、会場の本堂にお経が響き渡る中、山伏の装束をした星住職が「眩」の字を、文字通り強い光を受けて目が眩(くら)むかのような迫力ある筆致でしたためた。 星住職は書き上げた字に対する思いについて、「龍というのは太陽そのもの。私たちを照らしてくれる存在のようなもの」と話した。 会場を訪れた市内の男性は「パフォーマンスはとても迫力があり、心にグッとくるものを感じた」と感想を話していた。 (押本裕也)