話題のダークウェブは見るだけでも危険なの? そもそも本当に実在しているのか?
実際にダークウェブに入る場合、匿名化技術である「Tor」を介した接続が行われるのが一般的です。 Torの仕組みは、一言で言えば「通信時に無数のノードを経由させる」というもの。無数のノードを経由しつつ通信の暗号化も組み合わせることで、匿名性の高い通信を可能としています。なおこのTorの技術自体にも違法性や危険性はなく、プログラマーやエンジニアの方であれば手軽に試すこともできるオープンな技術でもあります。
ダークウェブが危険視される理由は?
ダークウェブが危険視される理由は、その技術や仕組み自体にあるのではなく「公開されているコンテンツ」や「購入可能なもの」にあると言えるでしょう。 たとえばダークウェブで最も取引量が多いものの1つが違法薬物です。ドイツではダークウェブでのドラッグ販売をリアルに描いたドラマ「ドラッグ最速ネット販売マニュアル」が人気になっており、日本でもNetflixで視聴できます。ダークウェブの取引がどのようなものか気になる方は、視聴してみるのもおすすめです。 児童ポルノの流通も問題視されています。たとえば2019年と2020年のダークウェブを比較すると、ダークウェブ上の児童ポルノサイトが30倍に増加している可能性があるとも指摘されています。 ■ハッカーが大企業から盗み出した機密情報をダークウェブに公開するケースも このほかサイバー攻撃を行うハッカー集団が、大企業から盗み出した機密情報をダークウェブに公開するケースも度々見られます。 ハッカー集団は「ダークウェブ上で機密情報を公開するか」「身代金を支払うか」の二択を企業に迫るケースが多く、身代金支払いに応じなかった企業の機密情報を公開していると見られます。 国内ではKADOKAWAのサイバー攻撃被害(2024年)によって、深刻な情報漏洩が発生したのが最も代表的な例です。 ■ダークウェブでの「購入」や「ファイルのダウンロード」は非常に危険 先ほども述べた通り、ダークウェブそのものは「ニューヨークタイムズ」がダークウェブ版を公開していることからも分かる通り、決して危険なものではありません。通信に使われるTorもオープンな技術の1つに過ぎません。 しかしダークウェブ上の「コンテンツ」には危険性がある場合も多いです。たとえばダークウェブでドラッグを購入するのは当然違法行為であり、なおかつ個人情報をダークウェブに入力することとなります。 またダークウェブにハッカーが公開している機密情報のダウンロードを試みることも危険です。その情報を公開しているのは各所にサイバー攻撃を仕掛けているハッカーであり、公開されたファイル自体にコンピュータウイルスが仕込まれている可能性があります。 ダークウェブで物を購入したり、ファイルをダウンロードしたり、その過程で自分の個人情報を入力することは絶対に避けましょう。
自分の個人情報がダークウェブに公開されていないか調べることはできないの?
自分の個人情報がダークウェブに公開されていないか調べるには、Googleの「ダークウェブレポート」機能が便利です。利用手順は以下の通り。 1.one.google.com にアクセス 2.[ダークウェブ レポート] で [今すぐ試す] をクリック 3.[スキャンを実行] をクリック なおダークウェブレポート機能は単発で実行する場合は無料(※Googleアカウントは必要)。また2024年7月下旬以降、機能の完全無料化も行われる見込みです。
オトナライフ