「高野龍神スカイライン」走破! 和歌山県の舗装路最高地点『道の駅 ごまさんスカイタワー』へ
「高野龍神スカイライン」とは?
約1200年前に弘法大師空海が開いた真言密教の聖地である「高野山」は、世界遺産にも登録されています。そして、空海が難陀龍王(なんだりゅうおう)のお告げによって開いたという「龍神温泉」。この空海にちなんだふたつの名所を結び、和歌山県の舗装路最高標高地点を通過する快走路「高野龍神スカイライン」を紹介します。 【画像】「龍神スカイライン」走破!! を画像で見る(12枚)
「高野龍神スカイライン」は、高野山から龍神温泉まで、紀伊半島を南北に縦断する約42kmの山岳道路です。元々は有料道路でしたが、2003年10月に無料化され、国道371号の一部区間となっています。 最高標高地点は、中間地点より少し南に位置する「道の駅 ごまさんスカイタワー」の標高約1280mで、ここが和歌山県の舗装路の最高地点となります。 11月上旬には紅葉の見頃を迎えます。また、冷え込みが本格化する12月中旬から3月下旬までは、冬季二輪車通行止めとなるので注意が必要です。
和歌山県最高標高地点に向かってヒルクライム!
高野山から「ごまさんスカイタワー」までは28kmの距離です。一気に登るのではなくて、登ったり下ったりしながら、長い距離で少しずつ標高を上げていくのが「高野龍神スカイライン」の特徴です。
スカイラインに入ると、最初の4.5kmほどは緩い下りです。そのあとの6kmの区間は本格的な登りとなります。この登坂を終えると再び約5kmの下りを挟んで、残りは最高地点「ごまさんスカイタワー」に向けて10km以上の距離を登っていきます。 最後の3kmくらいは急勾配のクライマックスを迎えるので、体力を残しておくことが大事なポイントです。
「道の駅 ごまさんスカイタワー」
長いヒルクライムの末にたどり着いた「ごまさんスカイタワー」のすぐ近くには、和歌山県最高峰の「龍神岳(りゅうじんだけ)」(1382m)と、第2の高峰である「護摩壇山(ごまだんざん)」(1372m)がそびえています。
このふたつの山には面白いエピソードがあります。実は2000年まで、「護摩壇山」が和歌山県の最高峰とされていました。しかし、再調査により、隣の峰の方がより高いことが判明したのです。 全国からの公募により、2009年に決定した新たな最高峰の名前は「龍神岳」となりました。近年になって最高峰が訂正されるとは、珍しいことですね。 スカイタワーに登ってみましょう。この展望台からは、「護摩壇山」や「龍神岳」はもちろん、紀伊半島の背骨である大峰山脈や、葛城山系など360度の大パノラマを望むことができます。 道の駅全体も、上から見下ろすことができます。ヒルクライムのフィニッシュ地点を上空から眺めることはなかなかできないので、これが意外と満足度が高いのです。 道の駅には展望台や広い駐車場、トイレの他に、小さな売店があります。こちらの名物は「護摩壇山」の名前にちなんだ「ごまごまソフト」とチーズケーキです。チーズケーキは龍神卵を使った「濃厚チーズケーキ」と、龍神山霜降り柚子を使った「レアチーズケーキ」の2種類から選べます。 売店の2階は、元々はレストランのようですが、現在はレストルームとして一般開放されています。大きなガラス張りで、日差しがふんだんに差し込みます。周囲は山々に囲まれていて、紀伊半島の奥深くまで入り込んできたことが実感できます。