<春へ一丸・’23センバツ慶応>支える人/下 コーケン・メディケア「栄養指導」 食を改善「強い体に」 /神奈川
◇けが防ぎ、大舞台で活躍を 「食に対する知識を身につけて野球で良い結果を残し、将来的にも役立ててほしい」(食事、運動、医療などを総合的にサポートする民間企業「コーケン・メディケア」の金子志帆美さん) 慶応が昨年から取り組んでいるのが、けがを防いだり、体を大きくしたりするための食事の管理だ。栄養指導を担当しているのは、健康管理施設も運営しているコーケン・メディケア(さいたま市南区)。各選手から聞き取った食生活の情報をもとに、昨年12月にセミナーを開いてそれぞれに改善策をアドバイス。現在も希望者を対象に月に1回、体重や体脂肪、筋力量を測ったうえで食事のメニューなどを助言している。 栄養指導の導入を提案したのは、小泉泰典コーチ(38)。2012年から18年まで羽黒高(山形県)の監督を務めていた際、コーケンの指導を受けて選手の食生活を改善し、けがを減らした経験があった。羽黒高は18年に15年ぶりとなる夏の甲子園出場を果たした。 21年に母校である慶応のコーチに就任した小泉コーチからの依頼で、選手を見たコーケンの南雅之理事長(68)は「足が速いなど比較的身体能力が高い選手が多い一方、体が細くサイズも小さい」と感じたという。実際に疲労骨折する選手も少なくなかった。コーケンが選手から食生活を聞き取った結果、カルシウムやビタミンの不足が目立った。 昨年12月のセミナーでは、不足している栄養素や、逆に取り過ぎている栄養素を分析し、各選手が何をどの程度食べるべきかを指導した。セミナー後も継続的にコーケンの指導を受けている投手の飯田康太郎(2年)は「効率良く体重を増やす食べ物の組み合わせの指導を受け、昨年12月から体重が4キロ増えた」と指導の効果を実感する。 コーケンの社員で管理栄養士の金子さん(25)は「強い体になれば、間違いなく全国のどのチームとも戦える。甲子園の大舞台でも頑張ってほしい」とエールを送る。(この連載は田中綾乃が担当しました)