同僚は実家に「仕送り」しているそうです。親孝行だなとは思いますが、これってかなり「少数派」ですよね…?
働き始めると、実家に仕送りをする人は多くいる一方、自分の生活が大変で仕送りができない人もいるでしょう。本記事では、両親に金銭的援助をしている世帯の割合や金額を紹介するとともに、仕送り時の注意点や節約方法も紹介します。
親に仕送りをしている世帯の割合
厚生労働省が行った「令和元年 国民生活基礎調査」によると、両親へ金銭的援助をしている世帯の割合は、世帯総数5万1785中、1234世帯です。割合にすると約2.4%と、少数であることが分かります。表1で、年齢別の平均仕送り金額をまとめました。 表1
出典:厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査」より筆者作成 仕送りの平均額は、年齢に比例して上昇する傾向があります。
親へ仕送りする際の注意点
親への仕送りは親孝行として評価されますが、仕送りする際は自身の生活を考え、慎重に進める必要があります。また、仕送り額などしっかりとした計画を立て、無理のない範囲で行うことが大切です。ここでは、親へ仕送りする際の注意点を紹介します。 ■自分の家庭の家計を考える 親へ仕送りを行う際には、まず自身の家計状況を考慮しましょう。生活が苦しくなるような大きい金額の仕送りは避けるべきです。 ある家族は、夫の母親に毎月5万円の仕送りをしていました。家族には小学生の子どもがいましたが、そのうち高校生になり、進学塾や大学進学のための費用が必要になりました。親への仕送りによって家計が非常に厳しくなり、夫婦仲が悪化してしまったそうです。 そこで、夫は兄弟2人と話し合いを行い、仕送り額を3等分して負担を分散させました。このように、仕送りをする場合には家計全体を見渡し、自分一人だけで背負わず、家族や兄弟と協力することが大切です。 また、仕送りを途中でやめたり大幅に減額したりすると親の生活が圧迫されるため、一度始めるとやめるのが難しいといえます。そのため、無理のない仕送り額の設定が必要です。 まずは自身の収入と支出を計算し、生活を圧迫しない範囲での仕送り額を決めてください。仕送り額は、親とじっくり話し合うことも大切です。親に自身の家計状況や将来的なプランを理解してもらうことで、お互いが納得した形で仕送りを行え、長期的な負担を避けられるでしょう。 ■家族には事前に伝える 一緒に生活している家族がいる場合は、親への仕送りを開始する前に必ず相談しましょう。勝手に仕送りを決めてしまうと、予期せぬ家族間のトラブルに発展する可能性があります。 例えば、夫が妻に相談せず自身の母親に毎月5万円を仕送りしていたとしたら、「なぜ勝手に決めたのか」と妻が不満を抱き、夫婦仲が悪化してしまうかもしれません。夫婦関係の悪化を避けるためにも、仕送りを始める前には家族の同意を得て、家計のバランスを考慮することが大切です。