被災者数推定に大きな隔たり パプアニューギニア地滑り
ポートモレスビー、パプアニューギニア、5月28日 (AP) ― 南太平洋のパプアニューギニア政府は国連に対し、同島で5月24日に発生した大規模地すべりで、2000人以上の住民が生き埋めになった可能性があると報告し、国際社会の支援を要請した。 国連は、地滑りで670人が死亡したと推定していたが、現地政府からの報告はその3倍近い数だ。これまでに6人の遺体しか収容されていない。 PNG国家災害センターの所長代理は5月26日、国連の現地コーディネーター宛の手紙で、地滑りで「2000人以上が生き埋め」となり、エンガ州ヤンバリ村に「甚大な被害」をもたらしたと述べた。 地滑り発生以降、死者の推定が大きく異なっており、PNG政府がどのようにして死者数を割り出したのかが明らかにされていない。 PNG政府と緊密に協力し、国際的な対応で主導的な役割を担っている国連の国際移住機関は、新たな証拠が出るまで、26日に発表した死者数670人という推定値を変更していない。 670人という推定は、エンガ州とヤンバリ村の役人が、地滑りで埋まった150戸を超える家屋から逆算した数値だという。 一方、2000人という政府推定の根拠について、27日になってもPNGのマラピ首相からの回答はなかった。 エンガ州全体が部族間の抗争に明け暮れているため、国際な救援隊や物資輸送に軍隊の護衛が必要なほど情勢が緊迫している。加えて、被災地がへき地であり、地盤が不安定な上に、通信手段がないなどの理由で、災害の規模を把握すること自体が困難な状況だ。 (日本語翻訳・編集 アフロ)