小池栄子&仲野太賀が、宮藤官九郎脚本の魅力を語る「宮藤さんならではの言葉のチョイスを堪能して」<新宿野戦病院>
宮藤官九郎によるオリジナル脚本のドラマ「新宿野戦病院」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FODでは毎週放送終了後から次週のエピソードを先行独占配信)が、7月3日よりスタートする。このたび、本作に出演する小池栄子、仲野太賀にインタビューを実施し、演じる役柄や宮藤の脚本について語ってもらった。 【動画】小池栄子が岡山弁と英語を話す「新宿野戦病院」第1話予告映像 ■アメリカ国籍の元軍医×チャラい美容皮膚科医 ――新宿・歌舞伎町にたたずむ「聖まごころ病院」。そこに突如現れたアメリカ国籍で軍医経験のあるヨウコ・ニシ・フリーマンを小池、病院に麻酔の勉強で来ているチャラい美容皮膚科医の高峰享を仲野が演じる。 小池:ヨウコはどんな命も平等であるとい信念を持っている強い女性。人に対して対等で、自由さとおおらかさ、そして芯の強い部分を持ち合わせています。硬くならず遊び心を持って演じていきたいです。 仲野:享は金もうけ主義の美容皮膚科医で、チャラチャラしている港区にいそうな男性。ヨウコは芯があるけど享は何もなく、いろいろなことに流されていきます。そんな享がヨウコと出会ってどう感化されて、成長していくのか…。先が気になるキャラクターだと思います。 ■英語のセリフは「完璧というラインはないので本当に難しい」 ――ヨウコはアメリカ育ちということもあり、英語を話すことが多い。 小池:レッスンを重ねていますが、完璧というラインはないので本当に難しい。この間も医療シーンで、セリフを言いながら細かな動きをしていたらパニックになってしまったのですが、周りのみんながわざと英語なまりのセリフを言って場を和ませてくださり、うれしかったです。緊張はあるけどそれすらも楽しめる現場です。 仲野:小池さんは本当に大変そう、それに比べて僕は本当にラク。手術シーンも今のところ、何もしないですから(笑)。そして何もしないのに医療ドラマの醍醐味である手術シーンの緊張感は味わえています。 小池:いいよね~(笑)。そういえば、資料として海外の医療ドラマを見ているんだけど、手術中は日本のドラマと違って結構おしゃべりをしていて、緊張感はあんまりない。何かそういうのも面白いから取り入れようかな? 手術が成功したら、歓声を上げて拍手とかしちゃったりして…。 仲野:なら僕も一緒にやりますよ。手術も何もしていない、ただその場にいるだけの人間ですが(笑)。 小池:こうやって、ヨウコと享が仲を深めていくのもアリかも。いい絆が生まれていきそうです。 ■宮藤官九郎だから書ける脚本 ――本作は宮藤官九郎のオリジナル脚本。ホストやキャバ嬢、トー横キッズ、外国人難民らの現状をユーモアも混ぜて描いていく。 小池:今の時代を描いた脚本だと思いました。運ばれてくる患者さんのバックグラウンドやエピソードが、ニュースなどで耳にしたことがある内容ばかりで…。それを宮藤さんが丁寧に描いているので、笑えてホロっとしちゃう人間味のあるドラマになっています。 仲野:ユーモアたっぷりだけど命の重さについて考えさせられる、リアリティーのある社会派ドラマですよね。それでいて笑えるのが本当にすごい。宮藤さんだから書ける脚本だと感じました。 小池:あとセリフが面白い。群像劇なのでみんながテンポ良く話していますが、好き勝手話し過ぎていて会話になっていない(笑)。そんな感じもリアルで面白い。宮藤さんならではの言葉のチョイスを堪能していただきたいですね。よく聞いていると、みんな面白いことばかり言っていますよ。 仲野:そしてなによりも先の展開が全く読めないです。思いも寄らない方向に物語は進むし、人間関係もどんどん変わっていくはず。その変化も楽しんでください! ◆取材・文=玉置晴子 ※「月刊ザテレビジョン」2024年8月号