星野真里×加藤ローサ『きみ継ぐ』 原作者とドラマ側で合致した思い、女性同士の恋と親子愛に「少し前は断られることも多かった」
俳優の星野真里と加藤ローサがW主演し、母親のセクシャリティや親子2代にわたる初恋と家族愛をテーマにしたドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX1 毎週金曜 後9:25~9:54)が放送開始した。原作は、ドラマ化もした『花嫁未満エスケープ』で知られる小川まるに先生の、コミックシーモア発のオリジナルコミック。相次ぐドラマ化への思いや、多くの読者に共感を呼んだストーリーに流れるメッセージを聞いた。 【漫画】かつて同性に恋したシンママ、息子が連れてきた恋人はまさかの…!? ■韓国ドラマの影響も? 商業コミックの「こういう題材はあまり読まれない」を覆す ──ドラマ『きみの継ぐ香りは』の放送が始まりました。原作の小川先生からはどうご覧になりましたか? 【小川まるに】少し前に見学させていただいた撮影現場の雰囲気がとても良くて、素敵なドラマになりそうだなと思っていましたが、想像以上に素晴らしかったですね。映像が本当に優しくてあたたかくて、私が原作で大切にしてきたことをきちんと汲み取ってくださったことをうれしく思いました。 ──主人公の桜を演じる星野真里さん、その初恋の相手である萌音を演じる加藤ローサさんについてはいかがでしたか? 【小川まるに】お2人に決まったと伺った時点で「ぴったり!」とうれしくなりました。桜のまっすぐで少し不器用なところだったり、萌音の誰もが恋してしまうような明るくて素敵な笑顔だったり。星野さんもどこかのインタビューで「(加藤について)萌音がコミックから飛び出してきたみたい」とおっしゃっていましたが、原作を読んでくださった方ならきっと同じような感想を持たれるんじゃないかなと思います。 ──小川先生にとっては長編デビュー作に続く2作目の実写化です。先生のどんな作風がドラマ制作者に“刺さる”のだと自己分析されますか? 【小川まるに】特にドラマ化を意識して描いているわけではないのですが、本作は韓国ドラマに背中を押されたところがありました。最近、韓国ドラマをはじめ、エンタメ業界では異性同士だけじゃない恋愛を描いた作品がとても増えています。もともと女性同士の恋愛ものを描きたいと思っていたのですが、少し前まで商業コミックの分野では、「こういう題材はあまり読まれない」として断られることも多かったんですが、時代が変わりつつあるのを感じていて。シーモアコミックスの編集者さんに提案したところ、すぐに「やりましょう」と言っていただけたという経緯があります。