長男の自閉スペクトラム症を公表・倉持由香「私が悪い」当初は絶望も、向き合うきっかけをくれた夫の言葉…そして発信する意味
「湊のことを理解して攻略していくしかない」向き合うきっかけをくれた夫の言葉
そうした中で湊くんと向き合えるきっかけをくれたのは、プロゲーマーらしい夫・ふ~どの言葉だった。 倉持「夫から『自閉スペクトラム症って診断されたんだから、もうずっといつまでも後ろ向きにいてもしょうがないから、湊のことを理解して攻略していくしかないでしょ』って。『時間を進めていこうよ』って言われて。そこから前向きになれるようになりました」 ふ~ど「そのまま停滞してもねっていう。だって成長するじゃないですか、子どもは。普通の子でも別に一緒だと思うんで、多分支えるっていうのは、変わらないかなっていう。その割合とかそういうのは増えるとかはあるのかもしれないですけど、周りも助けてくれる」 さらに同じ境遇の親とかかわりを持つことで自分を保つことができたという。 倉持「私も診断された時に、SNSとか小説とか漫画とかで自閉スペクトラムの当事者の方だったり、親御さんのエピソードをすごく調べたんです。子どもが自閉症ですっていう方の漫画やSNSをすごく見て、あ!うちの子もこういうことをするとか、おむつを投げるのうちの子だけじゃないんだとか、みんな大変なんだとか、苦しみとか大変さを分かち合うというか。大変なのはうちだけじゃないんだっていうのは結構励みになりました。それでだいぶ救われました。最初の孤独感がすごかったんです。他のママ友とか定型発達のお子さんなので、何できるようになってとか、ダンスできるようになってとか、ランドセルはこんなの選んだよとか、あとは私と同じぐらいに産んだ方のタレントさんとかのSNSもフォローしていたんですけど、子どもと一緒にアフタヌーンティーに行ってきましたみたいな感じで、すごくおしゃれな格好をして、おしゃれなお店で、おとなしく座っている子がいて。湊はとてもとてもそんなことはできないので、どうしても普通の子と比べてしまったりしていたんですけど、それでどうしようとか、うちは今後どうなっていくんだろうみたいなのがあったんですけど。でもそんな時に、うちの子もそうなんですよっていうような方や漫画にだいぶ救われたので、うちも発表することで、同じように苦しんでいる人とかと分かち合えたらいいなと。苦しみも、あとは喜びも分かち合えたらいいなって思いました」 現在では、夫婦で湊くんの将来について話すことも多くなったという。 倉持「よく家族3人でお風呂に入るんですけど、湊は小学校どうなるかなとか(話す)。家の学区で通う予定の小学校にも特別支援クラスがあるんですけど、そういうところに行くか、もしくは養護学校に行くかとか、そういう話をします。でも、今この先のことを考えてすごく不安になるよりは、とりあえず目の前の湊の成長を促して、その時に湊が一番行きやすい選択肢を選べたらいいよねっていう話はしてます」 今年4月からは、保育園の他に障害のある子の発達を促し、日常生活を自立して送れるよう支援する “療育”にも通っている。 倉持「おととい、初めて初回の療育に行ってきて、そこは夫が連れて行ったんですけど、初回はすごく楽しく、いっぱい体を使って遊ばせてもらったみたいで。足の裏の感覚が鈍いから、刺激を求めてつま先立ちになったり、あと結構飛び跳ねたりとかするんですよね。寝ない間ベッドの上で2時間ぐらいずっと飛び跳ねてたりするんですけど、そういった感覚の普通の子とは違う感覚の過敏さだったりとか鈍さだったりとかを、なるべく普通の感覚に近づけたりとか。そういう訓練とかも多分療育でやっていくんだと思うので、なるべく療育に通った方が生きやすくはなるかもしれないです」