2024年WRC開幕、伝統の一戦が雪と氷のフランスアルプスで始まる【ラリー・モンテカルロ プレビュー】
ターマックの路面を氷や雪が覆うステージが多いラリー・モンテカルロ
では開幕戦ラリー・モンテカルロのコースを見ていこう。過去2年間、ラリー・モンテカルロはモナコのサービスパークを中心に行われてきたが、2024年はサービスパークをフランス南部のギャップに拠点を戻すことになった。 ギャップはフランス・アルプスに囲まれた風光明媚な町で、氷や雪が路面を覆う山岳地帯のターマック(舗装路)ステージが増えることになる。この時期のフランス・アルプスは天候が変化しやすいためタイヤ選びは難しく、ドライ用、ウエット用、雪道用のスタッドレスタイヤ、金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれたスタッドタイヤなど、様々なタイプのタイヤがこのラリーには用意される。 ラリーの幕開けを祝うセレモニアルスタートは、これまでと同様モナコで行われ、25日木曜日の午後はセレモニアルスタートに続いて、ギャップの近郊でデイ1として2本のナイトステージが行われる。 金曜日のデイ2は、ギャップの東側でミッドデイサービスを挟んで3本のステージを各2回走行。土曜日のデイ3も同様のフォーマットとなり、ギャップの西側エリアで3本のステージを各2回走行する。 最終日となる日曜日のデイ4は、早朝ギャップのサービスパークを出発した後、クラシックステージの「ディーニュ=レ=バン/ショドン=ノラント」、有名なチュリニ峠を含むパワーステージの「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ」を走行し、モナコでフィニッシュを迎える。 ラリーは4日間で17本のステージを走行し、その合計距離は324.44km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1649.89kmが予定されている。
昨年のモンテカルロではトヨタのオジェが完璧な走りで優勝
昨年のラリー・モンテカルロは、ごく一部を除いて完全なドライコンディションでの戦いとなったが、このラリーを得意とするトヨタのセバスチャン・オジェが完璧な走りを見せて優勝した。 オジェはラリーのオープニングとなる木曜のナイトステージで連続ベストを刻んで優勝争いの主導権を握ると、ライバルたちのペースが上がらない中、SS1から一度も首位を譲らない完勝で、ラリー・モンテカルロの最多勝利記録となる9勝目をマークした。 完全にラリーをコントロールしたままフィニッシュしたオジェは「9回の勝利の中でも今回は一番の完璧な勝利だった。昨年悔しい思いをしていただけに嬉しい」と喜びを爆発させた。 なお、2位にトヨタのカッレ・ロバンペラ、3位にはヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが入り、勝田貴元(トヨタ)は6位だった。 はたして、2024年ラリー・モンテカルロはどうなるか。ラリーは現地時間1月25日にスタートする。なお、ラリー・モンテカルロはトヨタGR ヤリス ラリー2のデビュー戦でもあり、4台のマシンがWRC2カテゴリーで出場する。 【参考】2023年 WRC第1戦ラリー・モンテカルロ 結果 1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h12m2.8s 2位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+18.8s 3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1)+44.6s 4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m12.4s 5位:O.タナック(フォード プーマ ラリー1)+2m34.9s 6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m32.6s 7位:D.ソルド(ヒョンデ i20 N ラリー1)+3m47.5s 8位:E.ラッピ(ヒョンデ i20 N ラリー1)+3m51.3s 9位:N.グライジン(シュコダ・ファビア RS ラリー2) +10m03.4s 10位: Y.ロッセル(シトロエン C3 ラリー2) +10m07.9s
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