【10分でわかる】斎藤知事再選を後押しした「SNSの混沌」まとめ…ググっても、何が本当かもはやわからない
「ググれカス」は「そのぐらい人に聞かずにまずGoogleで調べろ」を意味するかつてのネットミームだったが、最近では使う人が少なくなった。流行語として飽きられ死語になったということもあるが、今や「ググってもわからない」ことの方が多いからとも言えるのではないか。兵庫県知事選ではネット上でデマが錯綜する前代未聞とも言える展開となり、有権者から「何が本当かわからない」が合言葉のように飛び交った。検索ではもはや「正解」には辿り着けず、むしろ騙される可能性すらある。とりあえずはこの混沌とした状況を分析してみたい。(フリーライター 鎌田和歌) ● 斎藤知事、まさかの再選 SNSや動画サイトを参考にした人々とは テレビや新聞は軒並み「重い課題を突きつけられた」と神妙な論調である。11月17日に開票された兵庫県知事選で、パワハラ疑惑を突きつけられ失職した斎藤元彦前知事が返り咲くことになった。 選挙戦の前半では稲村和美元尼崎市長でほぼ確定のムードがあったため、この結果を「歴史に残る大逆転劇」と評する人もいるほどだ。 そして多くの人が語るのが、選挙後半戦の異様な熱狂と、ネット上での真偽不明な情報の拡散である。
今回、繰り返し言及されているのが、投票にあたって「SNSや動画サイト」を参考にした人が「新聞」や「テレビ」よりも多かったというNHK調査だ。 【参考】兵庫県知事選挙 出口調査の結果は(2024年11月17日・NHKWEB) https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20241117/2020027005.html (以下、引用) 【投票で参考にしたこと】 出口調査では、投票する際に何を最も参考にしたか聞きました。 それによりますと、▼「SNSや動画サイト」が30%、▼「新聞」と「テレビ」がそれぞれ24%、▼「知人・家族のすすめ」が5%、▼「その他」が17%でした。 「SNSや動画サイト」と答えた人の70%台半ばが斎藤さんに投票したと答えました。 (引用終わり) SNSや動画サイトを参考にした人の多くが斎藤氏に投票した結果があることと合わせて考えなければならないのは、ネット上では斎藤氏に有利なデマが多く拡散していた点だろう。 ネット上で拡散されている情報を確認する日本ファクトチェックセンターが選挙前に出した記事によれば、兵庫県知事選では「稲村氏が当選すると外国人参政権が成立する」というデマ、「斎藤元知事はパワハラをしていなかった」という根拠不明な情報が拡散していた。 【参考】 兵庫県知事選 稲村氏が当選すると外国人の地方参政権が成立する?公約になく、本人も否定【ファクトチェック】(2024年11月11日・日本ファクトチェックセンター) https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/false_hyogo_governor_foreign_voting/ 斎藤前兵庫県知事はパワハラしていない? 職員の4割が見聞き、本人は厳しい叱責など認めて「必要な指導」【ファクトチェック】(2024年11月15日・同) https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/false-saito-governor-harassment/