遺族の胸中「何故妻・母が…」「極刑をもって罪を償って」 住民と警察官4人殺害事件 青木政憲被告を「殺人罪」で起訴 遺族のコメント全文 長野・中野市立てこもり事件
2023年5月、長野県中野市で4人を殺害した疑いで逮捕された男について、検察は11月16日、殺人の罪で起訴しました。起訴を受けて遺族は「極刑をもって罪を償って欲しい」などとコメントしています。 「殺人の罪」で起訴されたのは、中野市の農業・青木政憲被告(32)です。 青木被告は2023年5月、中野市で自宅近くを散歩していた女性2人と駆けつけた警察官2人をナイフや猟銃で殺害したとされています。
女性2人を殺害した動機については、「『ぼっち』とばかにされていると思った」と供述し、警察は一方的な思い込みの可能性があるとみていました。 11月8日には医師などが精神鑑定を行う3ヵ月間の「鑑定留置」が終わり、容疑者の身柄が都内から県内に移送されました。 検察は精神鑑定の結果なども踏まえ、刑事責任能力を問えると判断し、11月16日、青木被告を殺人の罪で起訴しました。
■遺族「極刑をもって罪を償って欲しい」
【起訴を受けてのコメント】 5月25日の午後4時頃、大切な家族が突然、無惨な形で命を奪われました。 いつものように友人と楽しくウォーキングしていたところ、刃物を持った見知らぬ男にいきなり襲われました。 何の罪もないのに、体を貫通するほどの強い力で、何度も何度も刺されました。 恐怖でたまらなかったことでしょう。怖くて苦しくて、どれだけ痛かったことか。 なぜ襲われなければならなかったのか?事情も分からないまま亡くなりました。 私たち遺族も、その状況を想像するだけで胸が張り裂けそうです。 大切な家族を突然失い、私たちの生活は一変しました。こんな事になるなんて、考えたこともありませんでした。 ムードメーカーの妻・母がいつも家族の中心にいる、そんな平凡で幸せな毎日が この先もずっと続くのだと当たり前に思っていたのに・・・ 家族みんなで食卓を囲み笑い合うことも、生き生きと趣味を楽しむ姿を見ること も、あの笑顔に会うことも、もう叶いません。 どんなに願っても、妻・母が私たちの元に帰って来ることは、もうありません。 11月25日で事件から半年が経ちます。 時間だけが無情に過ぎていく一方で、私たちの気持ちは一歩も前に進むことはなく、会いたくて、会いたくて、涙が溢れ止まらなくなることがあります。 できることなら、事件前の平穏だったあの頃に戻りたい。 せめて一度でもいいから会いたい。 でも、もうそれも叶いません。 私たち遺族の心の傷は癒えるどころか、大切な家族の命を奪った被告人への怒りや憎しみは増すばかりです。どんな言い訳を並べようと、絶対に許すことはできません。 被告人には、極刑をもって罪を償って欲しい。大切な家族がもう戻ってこない以上、最大限の法律で裁いて欲しい。 そして、二度とこの様な悲惨な事件が起こることのないよう、原因究明とともに裁判では被害者及び遺族の納得のいく判決を望みます。 それが、せめてもの救いです。切に願います。 令和5年11月16日 村上幸枝遺族一同