【五輪卓球】孫も応援、元世界チャンピオンのおばあちゃん。卓球競技最年長の61歳・倪夏蓮が初戦を飾る
元世界チャンピオンは「今でも卓球が大好き」
<女子シングルス1回戦> 倪夏蓮(ルクセンブルク) 10、3、7、-9、-10、6 アルティンカヤ(トルコ) 倪夏蓮(ニ・シャオリァン)は中国の上海で生まれ、14歳で上海代表チームにスカウトされ、16歳の時に国家チームに入った。左ペン表ソフト速攻スタイルで、中国選手権で2位までいったが世界選手権の代表を勝ち取るために粒高に用具を変更。しかも、守備的な粒高選手ではなく、攻撃的な異質攻守型として中国代表として1983年世界選手権で団体・混合複の2個の金メダルを獲得した。 1989年にドイツ、翌年ルクセンブルクに移り、ヨーロッパ選手権で優勝するなど活躍。2021年の東京五輪で5回目の五輪を経験し、五輪後の世界選手権ヒューストン大会では女子ダブルスでメダリストとなった。もちろん史上最高齢のメダリストだ。 オリンピックは6回目の出場。女子では史上最多。大会前の7月4日に61歳の誕生日を迎えている。 3年前のインタビューではこう答えている。 「中国時代、私は卓球のことだけ、自分の技術がどううまくなるかしか考えていなかった。コーチとの人間関係や周りの人との関係など考えず、社会的なことはあまり興味がなかった。でも26歳で中国を離れ、長い間にいろんな経験をして、人それぞれの悩み、長所と短所や人間関係があることを悟りました。卓球の練習でも、環境でも政治でも、良い面と悪い面があるものだと。 私はこれからもチャレンジしていきたい。人生を楽しんでいきたい。チームがもし私を必要とするなら、卓球は続けていきます。誰かが難しいと言っても、挑戦していくのが自分の性格なんです」 ●─あなたの人生にとって、卓球とは何ですか? 「卓球は特別なものですね。小さい頃はただ単に『将来、卓球選手になりたい!』と思いながら、人生は変わり続けた。中国が開放され、私はドイツに行き、すぐにルクセンブルクに移り、今の夫トミーと出会った。人生は何が起こるかわからない。でもね、卓球にはとても感謝しているの。たくさんの人と出会い、友だちもでき、人生がとても素晴らしいものになったんだから」。 パリの会場では倪夏蓮の写真を掲げた多くのファンが応援していた。 パリの卓球会場、強さだけでなく、勝利だけではない、オリンピックの参加の意義を笑顔で教えてくれた倪夏蓮がいた。