伊藤沙莉を支えた魔女5の“チーム力” 『虎に翼』が描き出す、彼女たちの“等身大の姿”
俳優たちのキャリアも反映された“キャスティングの妙”
それに加え、このメンバーはバランスもよかった。 『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』(WOWOW)の家永カノ役での活躍や『ライオンの隠れ家』(TBS系)といった話題作での好演が期待される桜井に、映画、ドラマ、演劇と、異なるフォーマット上でパフォーマンスを展開し続ける土居。 演劇畑出身の平岩は、いまでは日本のエンターテインメント界に欠かせない名バイプレイヤーのひとりだ。ハ・ヨンスは日本での俳優活動の開始からまだ間もなく、羽瀬川は将来を嘱望されるチーム最年少。この一人ひとりが、それぞれのキャラクター/ポジションにハマったように思う。 個々の俳優が持つ個性だけでなく、現時点でのキャリアなども含めてだ。彼女たちの俳優としての現在地が、『虎に翼』には描かれていたわけである。本作は数年後に、作品のテーマ性などとは別のこういった角度からも重要な作品だと見なされるのではないだろうか。 9月18日の夜には、本作の主題歌を担当している米津玄師と主演の伊藤の対談と、「魔女5」を演じた俳優陣による座談会が収められた特別番組『虎に翼×米津玄師スペシャル』が放送されるらしい。玉役の羽瀬川は不在のようだが、伊藤、土居、桜井、平岩、ハ・ヨンスらが集まって、ドラマの裏話を語るのだという。しかも、撮影で使用された竹もと(笹竹)のセットでだ。私たちの知らない「魔女5」の一面が見られるかもしれない。
折田侑駿