雨の中、懸命の復旧作業 国頭村比地区 「何をしたらいいのか」住民らの疲労色濃く 沖縄北部豪雨
【国頭】北部豪雨で比地川が氾濫し、集落が濁流に襲われた国頭村比地区では、17日も住民とボランティアによる懸命の復旧作業が進められた。集落の広範囲に被害が出てから1週間が過ぎたが、天候を気にしながらなかなか進まない復旧作業に、住民の表情には疲労の色が濃くなっている。17日も時折、激しい雨が降っており「少しの雨でも神経質になっている」と、不安の日々が続く。 比地川の近くで暮らす70代の女性は、10日に自宅1階部分の倉庫が浸水し、農機具やトラクターなどが水没、4台あった自動車も流された。片付けに追われる中で左足にけがをし、腫れ上がったという。「やることは多いはずなのに、何をしたらいいのか分からない」と頭を抱える。眠れない日々が続いており薬を処方してもらったが、それでも2時間ほどで目が覚める。「夫も同様に眠れていない」と涙ぐむ。時折、雷も鳴り響く悪天候の中、「少しの雨でも神経質になっている」と不安げな表情を見せた。
この日集まったボランティアらは、流木などを撤去したり、建物に流れ込んだ土砂を運び出したりした。また、被災した区民らを励まそうと同日夕、国頭中学校27期生の模合メンバー数人が、区公民館で区民らに豚汁などを振る舞った。メンバーの女性(65)は、「廃棄物置き場に家具や家電が積み上がっているのを見て心苦しかった。何かできることをしたかった」と話す。降り続く雨に「これ以上被害が出ないでほしい」と願った。 (玉寄光太)
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