スタートメニューに不要な「おすすめ」が現れる? - 阿久津良和のWindows Weekly Report
Microsoftが現地時間2024年4月12日にベータチャネル向けとしてリリースしたビルド22635.3495が物議を醸している。公式ブログでスタートメニューに「Recommended(推奨)」を追加したためだ。 【画像】ビルド22635.3495の「設定」。ここでRecommended機能を非表示にできる 本機能は米国のWindows Insiderに限定され、筆者も手元の環境をビルド22635.3495に更新したが、広告は確認できなかった。
上図では1Passwordが推奨アプリとして提示されているが、個人的にはMicrosoft Edgeのパスワード管理機能で十分だと考えている。その状態で1Passwordを推奨されても「イラッ」とするだけだ。 本機能はMicrosoft Intuneで管理するデバイスは除外され、おそらくHomeやProなど我々消費者向けエディションが対象となる。もっとも「設定」の「個人用設定/スタート」から「ヒント、ショートカット、新しいアプリなどのおすすめを表示します」を無効にすれば表示されないという。
MicrosoftがOSレベルの広告戦略を施すのは今に始まったことではない。Windows 11は「ロック」「サインアウト」などが並ぶユーザーメニューにOSの機能をアピールする文言を、2022年当時のDevチャネルで配布するWindows 11 Insider Previewへ追加し、OneDriveによるバックアップ機能やMicrosoftアカウントによるサインインをユーザーにうながしていた。 筆者が述べるまでもなく、ユーザーは不要な情報を欲していない。今回のおすすめアプリもオプトアウトできる設定を用意しているだけ良心的ながらも、最初から本当にユーザビリティーを考えているのであれば、スタートメニューに広告を挿入しないだろう。 Microsoftが躍起になるのはなぜだろうか。愚考するにMicrosoft Storeの収益化が目的だろう。仮にMicrosoft Storeがビジネス的に成功すれば、ソフトウェア開発者と広告費をかけても自社アプリのシェアを広げたいメーカーから収益を得られたはずだ。成功事例もスマートフォンで成功したAppleやGoogle(Android)がある。 ちなみにエンドユーザーでも、数ステップでアプリを導入できる点は評価すべきだ。「ライブラリ」からインストール済みアプリを削除できないのは、相変わらず不便だが。