【盟主争い】衆院長崎3区補選で野党の勢力図はどうなる?(記者解説)
今野氏は、維新・馬場代表の過激な発言について疑問を呈します。 今野氏「立憲の議席を増やしても何もいいことないですよ、と地方都市の街頭で訴えるのは、どこまで受けるのか。ネット界隈でこういう過激な発言は、割と注目されたりすることがあるけど……」 今野氏は、地方野選挙に求められる地上戦や組織力にも目を向け、「維新が、地方の選挙でどれだけ地を這うように選挙できるのか。維新にとって全国政党なのか問われる選挙なんですよね」と問いかけます。 今野氏「維新は関西で無類の強さを見せて、14かな?ぜんぶの小選挙区で、自民党も弾き飛ばして勝ってた」 今野氏「大阪行ったらすごいですもん。府議も市議もわんさかいるから。選挙なんつったら黄緑色のジャンパー着た人しか見ないくらい、地上戦をやるんですよ、維新って。橋下さんとか吉村さんとか、空中戦だけに強いイメージあるけど、関西では地上戦めちゃくちゃ強いんですよ」 今野氏は、自民支持層の票がどちらの候補に流れるかも重要だと指摘します。 今野氏「(維新が)第二自民党と言っている以上は、自民党票は自分たちに流れるべき。しかし、情勢調査レベルでは立憲民主党に(自民票が)何割か流れている」 以上を整理すると、衆院長崎3区補選のポイントは以下の3つになる、と今野氏はまとめます。 ・野党の盟主はどちらか ・自民支持票は、改革保守を訴える維新にどこまで行くのか ・維新は全国政党としてどこまで戦えるのか
立憲と共産の共闘は?補選後の選挙協力の関係を占う
水内氏「もう少し維新寄りの視点から言ってみると、共産党も出ていないわけですよ。立憲民主党の支援に回っているわけですよ」 水内氏は、泉健太代表が就任した時に日本共産党との共闘を白紙に戻すといいながら、去年あたりからじわじわと元に戻っていることを指摘します。 水内氏「長崎3区も共産党の票を加えることで鉄壁の守りにしている。どうしても共産党と一緒になってしまうと、政策やいろんなものも引っ張られがちになってしまうと。これが厳しかったから枝野代表から代わったのに、先祖返りになっているということを維新は指摘したいのかな?と思うんですよね」 MC伊藤「枠組みを見ると先祖返りに見られちゃいますよね」 水内氏「次の衆院選になった時に、前みたいに全部一緒にするのか。そうすると、“現実的な安全保障”とかもちゃんとできるのか?という疑問も出てくると思うんですよね」 今野氏「泉さん、最初の頃は共産党と距離を置いてたけど、だんだん許容するというかね……」 MC伊藤「今回、(共産の)推薦は出ていないようですが、それは距離感なんですか?」 水内氏は、立憲民主党側も推薦を受け入れない様相になっていると推察します。 水内氏「でも現実的には、共産の人は一生懸命山田さんを応援して、お互いにとっていいように見せているんですよね」 今野氏は、この3選挙区で立憲が3勝するとすると、共産の支持層がどういう風な投票行動をしたのかという点にも注目したいと語ります。 今野氏「今後の選挙協力。共産党と立憲民主党が立っている選挙区を調整するのかしないのか。調整するとしても、水面下でやるのか、やらないのか。そうなってくれば、自民や維新は『立憲共産党』と批判する」 今野氏「枝野さんの時は『立憲共産党』批判で、2万票くらい減らしたんですよね」 今野氏は、泉代表が代表になった当初よりは、共産党とうまく調整すべきというように思考が変わってきたと読み解き、今回の補選で勝利を収めてしまうと、「(共産党の)誘惑が強くなっていくんじゃないですか」と予想します。 MC伊藤由佳莉「長崎3区は野党第1党と第2党の一騎打ちになりましたが、次の解散総選挙を占う意味にもなりうるのか……それとも?」 解説の両名は「全然ならない。自民党が選挙区に候補者を立てないことなんて、まずありえない」と首を振ります。 今野氏「逆に立憲と維新でやるから、野党第1党と第2党がガチンコする希有な選挙区。政権与党が補欠選挙に立てないということがニュースなんですよ」 水内氏「政治マニアックなこというと、維新のところに教育無償化を実現する会、国民民主でなく、前原さんのところが推薦しているっていうのが距離感を感じるなって……」 現役最前線を走る政治記者の目からは、さまざまな対立が読み取れる、今回の衆院長崎3区補欠選挙。ぜひご注目ください!