フルタイムで働くアラフォーママがまさかの保育士試験を受験することに⁉【作者に聞いた・前編】
学歴など受験資格を満たす必要はあるものの、社会人でも取得を目指すことができ、幅広い人に道が開かれている保育士の資格。ブログやInstagramで家族のことなど日常漫画を発信しているぽてとさんも、アラフォーにして保育士試験を受験した一人。その受験にいたった経緯から保育士になるまでのストーリーを2回にわたってお届けします。 【もっと写真を見る】
2016年生まれの長女と2018年生まれの次女を育児する話を中心に、ほのぼのとした日常漫画をブログ「ぽてとのマッチョ保育士漫画」やInstagramで発信しているぽてとさん。フルタイムで働くワーママでもあるぽてとさんはある日突然、転職を余儀なくされる。そこで訪れた人生の転機が、保育士試験を受験して、国家資格を取得するということだった。そんなぽてとさんのライフシフトを描いた漫画をお届けすると共に、なぜ保育士を目指すことにしたのかなど、ご本人に話を聞いてみた。 保育園事務の面接で、勧められるままに保育士資格を取得することを決断! 数年前、長年勤めていた会社が事務所閉鎖に伴い、遠方の事業所へ異動することになったぽてとさんは、子育てをしながらの片道2時間の通勤は難しいということで転職をすることに。しかし、何社受けるもなかなか再就職先が見つからなかったという苦い経験があったため、今回は自宅近くの職場を条件に即、求職活動を始めた。 「体調不良や災害など子どもたちに何かあった時に、すぐに駆けつけられる距離にある職場で働きたいと、自宅近くで仕事を探していたのですが、住宅街に住んでいるため、一般企業の求人はほとんどなく。そんな中、自宅近くの保育園の事務の仕事を見つけて、面接に行ったところ園長に保育士資格を取得することを勧められたんです」 保育士になるには2つの方法がある。一つは厚生労働大臣が指定する指定保育士養成施設(大学、短大、専門学校など)を卒業すること。そして、もう一つは前期、後期と年に2回実施される保育士試験を受験して保育士資格を取得すること。受験資格は短期大学卒業程度だが、最終学歴が高等学校卒業であっても、〝児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者〟などの条件を満たせば、だれでも受験することができるのだ。 「保育士資格は保育系の大学を卒業しないと取得できないと思い込んでいたので、試験に合格したら資格取得できると知りびっくりしました。 同時に、こんなに勧められるってことは私できるのかな~、できるかも!と軽くポジティブに考え、その場で取得を決意しました(笑)。それと、今まで2回、本社移転の影響で通勤時間が長くなるため仕事を変えた経験から、保育士資格を取得すれば、仮に今の職場が何か理由があって働けなくなったとしても近隣の保育園で保育士として雇用してもらえる可能性が高いかなと。今後も自宅近くで働きたいという希望を満たした転職がスムーズになると思ったのも、保育士の資格を取ろうと決めた理由です」 仕事、育児、家事をこなしながらの受験生活がスタート、家族の反応はいかに? 前回の苦戦した転職活動とはうって変わって、すんなりと再就職先が決まり、保育園で事務員として働きながら、保育士試験の受験勉強を始めることに。とは言え、自分から「保育士になりたい!」という思いではなく、ちゃんとした理由はありつつも、やや成り行きのような形で保育士を目指すことになったぽてとさん。自身の子どもが通っている保育園の保育士さんに話を聞いてみたそう。 「保育系の大学を卒業されて資格取得されてる方が多かったのですが、独学で勉強されて資格取得した方も数名いらっしゃって、お話を聞かせていただきました。また、私より先に仕事しながら独学で保育士資格を取得されたママブロガーさんもいらっしゃって、その方のブログも拝見していました」 フルタイムで働きながら、そして子育てや家事をしながらの受験勉強ということで、やはり夫の理解は不可欠。しかし、残念ながら積極的には協力しない、今の生活を維持できるのであれば受験しても構わないという反応だったそうで。 「私は夫に協力して欲しかったのでがっかりしましたが、子どもたちが子どもなりに応援してくれて心強く、励みになりました。家事、育児、仕事の時間を差し引いた、自分が自由に使える時間やスキマ時間を把握し、その時間すべてを資格取得のための勉強に充てました。具体的には子どもたちが起きる前の朝の時間と寝たあとの夜の時間、職場でのお昼休憩時間。これらの時間を使って、問題を解いてから参考書を読んで知識を定着させるというのを繰り返しました。でも、やはり時間を作るのはとても大変で。子どもたちの〝ママじゃなきゃ嫌だモード〟や急な発熱に対応しながらだと、勉強しなきゃいけないのにと焦る一方、子どもを蔑ろにしている気がして」 受験勉強に励みながらも、子どもとしっかり向き合えないことに苦しみ、「こんな気持ちになってまでやることなのか?」と自分を責める気持ちが沸いてくることもあったという。そんなぽてとさんの猛勉強の様子や受験本番、そして結果など、気になるその後のエピソードは後編に続きます。 文● 杉山幸恵