「部下の報連相のレベルが低い」と言う上司の多くは、自分に原因があることに気付いていない
組織と人事の専門家である“そわっち”が、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ「モヤモヤり~だぁ~ず」。
本日の相談者:事務用品メーカー・44歳 「社会人の基本として報連相が大事、と日頃から伝えているのですが、一向に部下の報連相のレベルが向上せず困っています。 こちらが具体的な質問を行なって回答を促してもあいまいな返答が多く、私がほぼ答えを提示してしまっている状況です。どうしたら報連相の能力を身に着けさせることができるのでしょうか?」。
なぜ「報連相」が必要なのか
会社組織というものは、社員に権限移譲をして分業を行い、ひとりではできない大きな仕事を成し遂げるために存在しています。しかし権限を委譲すると言っても、「なんでも自由にやっていい」わけではありません。 全体の方針や方向性をちゃんとわかった上で自己判断を行い、仕事を進めなくてはなりません。ただ人間のすることですから、記憶違いや忘れてしまうなどで、最初の方針と違う仕事をしてしまう可能性も大いにあります。 そこで、仕事の途中で適宜「報告・連絡・相談」=「報連相」をすることで行動の修正を行なったり、ミスを事前に防いだりするのはよくあることです。
仕事の説明が曖昧だったのでは
このようにとても重要な報連相を、部下がきちんとしないのだとすれば、どのような可能性があるでしょうか。 考えられるのは、最初の権限移譲=仕事を任せる際の上司の説明が曖昧だということです。仕事を任せられた人が「これは報告しなければ」と思うことができるためには、「この仕事は何が目的だから、重要なポイントはここ」ということがわかっていなければなりません。 (極端な言い方ですが)「とりあえずこれをやっておいて」とだけ言われたなら、最重要ポイントを外していても、その他の言われたことを大体できていれば「うまくいってる」と思うはずです。 そうなると、報連相はなされないのも無理はありません。