【ベトナム】企業への資金支援拡大を、政府会議で首相
ベトナム政府は21日、全国の商業銀行を集めた会議を開いた。ファム・ミン・チン首相は銀行業界に対して引き続き貸出金利の削減などによって企業などへの与信残高を伸ばし、経済発展につなげるよう努力を要請。台風11号(国際名:ヤギ)で被害を受けた企業や個人に対する支援の強化にも取り組むよう求めた。政府公式サイトが同日伝えた。 ベトナム国家銀行(中央銀行)の会議での報告によると、金融業界全体の9月17日時点の与信残高の対前年末比伸び率は7.38%、商業銀行だけの与信残高の伸び率は8.6%で、金融業界全体で年14~15%増と設定した政府目標が達成できるかどうかは微妙な状況にある。 これについて、出席した銀行の首脳からは不良債権増加に対する懸念や、企業の資金ニーズが限定的で、不動産市場の回復が遅れていることが融資拡大の制約になっているなどの意見が相次いだ。 軍隊商業銀行(MB)のルー・チュン・タイ会長は、企業が中長期資金を調達しやすくするよう政府は社債市場の運用を改善したり、不動産開発会社が事業途中でも計画を修正することを認めるよう要請。ホーチミン市開発銀行(HDバンク)の首脳は、同行が工業団地の労働者向けに生活支援融資を今年も実施することを検討していると説明し、与信余力の高い銀行により多くの与信枠を割り当ててはどうかと国家銀に提案した。 ファム・ミン・チン首相はベトナム国家銀行(中央銀行)と財務省に対し、これらの提案について関係省庁と協議して政府に報告し、10月に開かれる次期国会で審議できるよう準備することを指示した。 首相は金融業界に対し、銀行の与信能力や企業の資金アクセスの改善など「6つの増加」、貸出金利の合理的な水準への削減や取引手数料と運営コストの削減など「6つの低下」、デジタル化やサービスの質の向上など「6つの加速と克服」を実行するよう要請した。