政治とカネで「重い決断」 総裁選、突如の不出馬表明
自民党総裁選が来月に迫る中、突如不出馬を表明した岸田文雄首相。14日午前11時半から首相官邸で記者会見し、派閥の政治資金パーティー裏金事件など「政治とカネ」問題で国民の政治不信を招いたとして「政治改革を前に進めるとの強い思いで、国民の方を向いて重い決断をした」と述べた。 濃紺のスーツに青系のネクタイで会見場に現れた岸田首相は「お盆が明ければ、秋の総裁選に向けた動きが本格化することになる」と切り出した。低くゆっくりとした声で、不出馬の理由を説明。硬い表情を崩さずに約3年間の任期を振り返り「大きな成果を上げることができたと自負している」と強調した。 自民党派閥の裏金問題については「組織の長として責任を取ることにいささかのちゅうちょもありません。発生した当初から思い定め、心に期してきた」と述べ、「政治家の意地みたいなものがあった」と形容した。 総裁選で誰を支持するかを問われた際には初めて表情を崩し「不出馬を表明した人間が後のことについて何か申し上げることは控えるべきだ」とした。