トランプ大統領の機密漏えい疑惑 情報が第三国に? 頭の痛いイスラエル
アメリカの複数メディアは15日、ロシアのラブロフ外相とホワイトハウスで10日に会談したトランプ大統領が、機密性の高い情報をロシア側に伝えていたと報道。この直後からティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官は「誤報である」と報道を強く否定した。トランプ大統領の側近が「火消し」に奔走していたにもかかわらず、大統領自身は翌日のツイートで「大統領としてロシア側とテロに関する事実を共有しておきたかった。私にはそれを行うための絶対的な権限がある」と、ロシア側に情報を伝えたことを示唆している。同盟国から提供された機密性の高い情報を、その国の了承を得ずに微妙な関係にあるロシアに提供したことで、アメリカと同盟国との間にすきま風が吹く危険性を指摘する声もある。 【写真】大統領選前に相次ぐサイバー攻撃 関与を指摘されるロシアとトランプの関係
ロ外相との会談写真で出し抜かれる?
ロシアのラブロフ外相がホワイトハウスを最後に訪れたのは4年前。2013年の8月だ。翌年にウクライナで政変が発生し、親ロシア派として知られたヤヌコビッチ政権が崩壊すると、クリミア半島では親ロシア派によるデモが連日行われ、ロシアから国境を越えて多くの武装勢力がクリミア半島に侵入した(ロシアは軍の関与を否定しているが、武装勢力の多くがロシア軍関係者であったという説は現在も根強く残る)。その後、ロシアも自国民の保護を名目にクリミアに対して軍事行動を開始。3月18日にはクリミア半島全域がロシアに編入された。これによって、欧米各国とロシアとの関係が悪化。ラブロフ外相がクリミア危機後にホワイトハウスを訪れることはなかった。 先月12日、ティラーソン米国務長官はロシアを訪れ、モスクワでラブロフ外相、そしてプーチン大統領と会談を行った。4月6日に米軍がシリアの空軍基地を巡航ミサイルで攻撃していたこともあり、ラブロフ外相はアメリカの軍事行動を違法として、新たな攻撃を行わないよう要請している。トランプ政権の閣僚として初めてロシアを訪れたティラーソン長官は「米露関係の改善を期待する」としか語ることができず、関係悪化が垣間見える結果となった。しかし、この会談後にラブロフ外相の約4年ぶりとなるホワイトハウス訪問が決定している。 前述したように、ラブロフ外相のホワイトハウス訪問は決して珍しい話ではない。しかし、今回は訪問の前後に、通常では考えられないような出来事がいくつも発生した。訪問の前日には、昨年の米大統領選でロシアの選挙戦への介入やトランプ陣営とロシア政府との繋がりを捜査しているFBIのコミー長官が、出張先のカリフォルニア州で突如解任を告げられている。会談前後のメディアによる写真撮影は認められなかったが、ラブロフ外相の「専属フォトグラファー」は会談への同席を許可され、会談中も写真を撮影していた。会談でトランプ大統領やラブロフ外相が談笑したり、リラックスした雰囲気の中で固い握手を交わす様子をとらえた写真は、会談後すぐに世界中に発信された。 ラブロフ外相の専属フォトグラファーは、国営イタルタス通信に勤務しており、親密な雰囲気で行われた会談の様子がロシア側から世界に紹介されたのだ。ホワイトハウス側は写真が通信社によって使われるとは知らされておらず、CNNは12日に「やつらに騙された」と憤慨するホワイトハウス高官のコメントを紹介している。しかし「騙された」と憤慨したのは、アメリカ側だけではなかったようだ。