東洋医学で見る、寝苦しい夜を熟睡に導く「食材」 下痢がち、雨の日がだるい人に有効な朝食とは
ただし、いくら暑くても、果物の食べすぎには注意しましょう。朝ごはんに「スムージーや果物だけ」といったメニューをおすすめしない理由と同じく、からだを冷やしすぎて、別の不調を呼んでしまうからです。 夏場であっても、これだけあちこちでクーラーが効いている昨今では、冷えて血流が悪くなり、逆に夏バテを起こしてしまうこともあります。 「冷やす」のではなく「冷ます」、という感覚を意識しておきましょう。 「冷やす」のではなく「冷ます」
暑い季節でも この感覚を忘れずに 湿気に弱い人は「下痢」になりやすい からだを診る方の雰囲気、顔色、肌ツヤ、あるいは白髪の位置といった情報から、五臓の状態がわかります。臨床を重ねてきた経験から、傾向として見えてくるものもあれば、見えない「気」を感じ取ることで、伝わってくるものもあります。 たとえば、鼻筋を見ることで「肝(かん)」の弱りを感じることもあれば、小指の長さで先天的な「腎(じん)」の弱りを知ることも。あるいは、ちょっとした顔つきから、無理をしてしまう性格だなとか、雨などの湿気に弱いという傾向もわかります。
■頬の肉がたるむ原因は「脾の弱り」 先日は、取材にいらした女性のお顔から、「脾(ひ)」の弱りを感じました。 「脾」は、胃と一体になって消化吸収を司る臓。「脾」が弱ると、東洋医学では昇清(しょうせい)作用といいますが、からだの気(き)や血(けつ)、水(すい)を持ち上げる力が弱くなります。 そのため、地球の引力に負けるように頬の肉がたるんだり、「脾」は湿度に弱いので、雨の日にはずしりとからだが重くなったり、症状が重くなれば下痢を引き起こすことも。
女性に体調を尋ねてみますと、「わたし、よく下痢になりやすいんです」。雨の日など湿気の多いときは、やはり、やる気も起きないのだそうです。 「脾」のゴールデンタイムは、朝の9時から11時。朝ごはんで摂った栄養が全身に運ばれる時間帯です。ところが朝ごはんを食べない人にその理由を聞くと、「朝食を食べると眠くなるから」とおっしゃる人が多いのです。 そういう人ほど脾が弱いので、最初はおかゆからはじめるなど、より朝ごはんを大切にしてほしいと思います。
下痢をしやすく、 雨の日がだるい人は 朝食から見直す
尹 生花 :北京中医薬大学 医学博士