【日本株週間展望】反落へ、石破新総裁で円高警戒-米景気指標も注視
(ブルームバーグ): 10月1週(9月30日-10月4日)の日本株は反落の見込み。自民党総裁選で石破茂元幹事長が選出されたことを受け、為替の円高進行や金融所得課税の強化を警戒した売りが広がりそうだ。週後半は米国の経済指標の発表を控えて投資家の様子見姿勢も広がりやすい。
9月4週の東証株価指数(TOPIX)は週間で3.7%高と続伸し、終値ベースで8月の暴落前の水準を回復した。為替市場で円安が進み、輸出セクターを中心に買い安心感が広がった。総裁選を前に高市早苗氏が勝利することを織り込んだ動きもあった。
10月1日に臨時国会が召集され、衆参両院本会議で首相の指名選挙が行われる。石破氏は金融政策に関してタカ派的な姿勢を取り、財政健全化を進める考えを示しているため、円高リスクが意識されやすい。円高は相場の重しになる半面、金利が上昇すれば保険や銀行株の追い風になり得る。
米国では景気の先行きを探る上で重要なイベントや経済指標が相次ぐ。4日に米労働省が9月の雇用統計を発表する。非農業部門雇用者数の市場予想は前月比14万人増と、8月に続き低調になる見込み。雇用情勢に弱さが見られれば景気懸念が再燃し、市場の波乱要因となりかねない。発表を控えて積極的な買いは限られそうだ。
このほか1日に9月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3日にサービス業購買担当者指数(PMI)が発表される。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9月30日に全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演する。
《市場関係者の見方》
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト
石破氏の当選後に為替が円高に振れ、週明けは厳しくなりそう。一方、日本銀行の金融政策は正常化に向かうため、保険・銀行などの金融株に追い風は吹くだろう。米ISM製造業景況指数や雇用統計を前に投資家が慎重になることも相場の重しになり得る。
岡三証券の大下莉奈シニアストラテジスト