「50代・貯金なし」からプラス1000万の老後資金は作れる?何から始めればいいですか?答えは意外な
老後資金準備はまず何から始めればいいの?
「いちばん大事なのは、現在地を把握すること。つまり、生涯にかかるお金がどのくらいで、いま何ができるのかを、いったんは客観視することです」 そうアイ所長はいいますが、うーん、どうすればいいのでしょうか? 「お手元に届くねんきん定期便はチェックしていますか? いちどは自分自身の年金額を把握し、もしご主人に何かがあった場合の遺族年金も同時に把握。これは年齢差など条件ごとに割合が違うので一概に言えず、算出する必要があります。その上で、ご自身の65歳からのライフプランをいちどはシミュレーションすることをお勧めします」 でも、この先何年生きるかもわからないし、親の介護もあるかもしれないから、プランを立ててもその通りにはいかないと思うんですが……。 「漠然と遠い未来の不安に立ち向かおうとしていませんか? たとえば、恐怖感が大きな病気や介護、相続などから想像しているケース。そこで考えるのがイヤになって手が止まるんですよね」 あ、言われてみればその通り。私の場合は実家の相続と介護のしんどさがひたすら恐怖で、そこを考えるのがイヤで先延ばしにしています。 「そんな方に対しては、例えばですが『65歳で熟年離婚した場合の90歳までの私の生活はどうなる?』という、現実的なシミュレーションを立ててお見せすることがあります。『これしかもらえないの??やばい、急いでがんばらなきゃ』という声もあれば、『思ったよりイケる、離婚も検討します(笑)』という方もいます(笑)」 そのほか、アンケートによれば「資産運用は夫がやってるはずなので任せていて、私は無関心です」という声も結構あるそう。でも、老後資金はなるべく大きな額をなるべく長期で運用して育てるのが第一セオリー。そのため2人で協力したほうが資金の上昇カーブも期待できるそうです。 ここまでの前編記事では老後資金形成のための最低限必要な「マスト事項」を教えてもらいました。続く後編記事ではどのように形成するのか、その方法を伺います。
オトナサローネ編集部 井一美穂