日銀・内田副総裁が示した「異次元緩和からの出口」に関する見解【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
異次元緩和は4月終了、無担保コール翌日物金利は0.0%~0.1%で年内利上げなしを予想
以上より、今回の内田副総裁の講演から、(1)マイナス金利解除時の利上げ幅は0.1%、解除後も緩和的な金融環境は継続、(2)YCC終了後も国債の買い入れは継続、(3)ETFとJ-REITの買い入れ終了後も保有残高は当面維持、というメッセージが読み取れます。国内市場では、修正時期は近いものの、急速な引き締めのリスクは小さいとの安心感が広がった模様で、長期金利は比較的落ち着いた動きとなり、円安、株高の反応がみられました(図表2)。 弊社は日銀の金融政策について、引き続き4月にマイナス金利解除とYCC撤廃を軸とした異次元緩和の終了を予想しています。マイナス金利解除後、政策金利のターゲットは無担保コール翌日物金利となり、誘導水準は0.0%~0.1%を見込みます。利上げは年内行われず、物価動向を見極めた上で、誘導水準は2025年4月に0.25%、10月に0.50%へ引き上げられる可能性が高いと考えています。 (2024年2月16日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀・内田副総裁が示した「異次元緩和からの出口」に関する見解【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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