【毎日書評】不満に振り回される人生はもう嫌だ!小さなことにくよくよしない生き方3つのヒント
悪い知らせを聞いたとか、気難しい人と対面したとか、あるいはなにかに失望するなど、なんらかの「いやなこと」と直面することは誰にでもあるものです。しかし問題は、そんなときに過剰反応したり、必要以上に悲観的になってしまうことも少なくないという事実。 すると客観性を失い、否定的な考えにとらわれ、力を貸してくれそうな人たちまで遠ざけてしまい、泥沼にはまり込んでしまうことでしょう。しかし当然ながら、それでは状況はさらに悪くなっていくばかり。 だからこそ、『新版 小さいことにくよくよするな!』(リチャード・カールソン 著、小沢瑞穂 訳、サンマーク出版)の著者は、あえて気楽になるべきだと主張するのです。 人生にもっと気楽にたち向かう癖を身につければ、「なすすべもない」ような問題もなんとかなりそうに感じるようになる。ストレス源だった「一大事」にたいしても、前ほど動揺しなくなる。 幸いなことに、もう1つの生き方がある。周りの人たちともっと共感し合える、穏やかで優雅な生き方だ。その生き方とは「すぐ反応する」癖を「客観的に見る」という新しい癖と入れ替えることから始まる。(「はじめに」より) 心理学者/ストレスコンサルタントである著者は、多くの人がもっと人生とうまく折り合いをつけることができるように手助けしてきたそう。ストレス、人間関係、職場の問題、依存症、さまざまな欲求不満などの悩みを抱える人たちと一緒に、それらを解決しようと努めているわけです。 そうした実績に基づく本書は、もっと優雅に人生を送るための、しかもすぐに始められる“具体的な戦略”を紹介したもの。どれも著者が自身のクライアントとともに実践し、大きな効果を挙げたものばかりだといいます。 さて、それはどのようなものなのでしょうか? いくつかをピックアップしてみましょう。
小さいことにくよくよするな!
私たちはとかく、「少し頭を冷やせばなんとなく解決すること」について大騒ぎしがち。ちょっとした問題や細かい心配ごとに、いちいち過剰反応してしまうわけです。 たとえば、渋滞の道路でほかの車に割り込まれたとしましょう。たしかに頭にくるでしょうが、それでも気にせず放っておくべき。怒るのが当然だと思い込んでしまいそうになるかもしれませんけれど、そんなことで腹を立てるのはナンセンスなのです。なぜならそういった「小さいこと」は、日常生活のなかでひんぱんに起きるものだから。いちいち腹を立てても時間の無駄なのです。 長い行列の順番待ち、身に覚えのないことで非難される、大きな仕事をまかされる……。そんなとき、くよくよしないコツを知っていれば生き方に大きな差がつく。(21ページより) したがって、意識してそのコツを身につけるべき。そうすれば、人にもっとやさしくすることができるようになり、寛容になれるエネルギーが増大するからです。(20ページより)