「3年で収入1136億円」FIFAやUEFAの拝金主義が日本代表“アウェー地上波放送ない問題”やバロンドール候補MFの大ケガと無関係ではないワケ
選手団体はFIFAを相手取り法廷闘争の準備を
エリートフットボールへのファンからのボイコットは、すでに始まっている。 前身のヨーロピアンカップを1982年に制しながら、チャンピオンズリーグには今季が初出場となるアストン・ビラは、高く設定し過ぎたチケットにサポーターが激しく反発している。身近なところでは、筆者の周りのフットボールファンは、今季のチャンピオンズリーグは決勝トーナメントからしか観ないと言う人が多い。個人的には職業柄、そうするわけにはいかないが、食傷気味になっているのは確かだ。 そしてもとより、多くの凡庸な試合より、少なくてもいいので熱い一戦が観たい。アリソンは「ファンにとっては最高だと思う」と言ったが、供給過多で飽食すれば、逆にありがたみが薄れてしまう。それが人間の性質ではないだろうか。 と、ここまで書いたところで、選手団体FIFProと欧州主要リーグがFIFAを相手取り、法廷で争う準備を始めたという一報が届いた。記者会見で彼らはこう語っている。 「国際試合の日程はFIFAが決める。彼らは自分たちの大会のためにその職権を濫用し、収益を増やしている。その行為は選手の心身を極限まで追い込んでいるのだ」 ここでFIFAだけが敵視されているのは、選手側はクラブからサラリーを受け取っているという認識があるからだろう。UEFAが欧州カップ戦を拡大したのは、数年前に持ち上がったスーパーリーグ構想の妥協案だとも言われている。より収益を求めるビッグクラブに、寄り添う形で。
日本代表の“アウェー戦地上波で見られない問題”も…
かたや、FIFAはスイスで非営利団体として登録されている組織だ。しかし、彼らはとことん収益を追求しているように見える。ひどい腐敗の歴史を持つ団体でもある。直近の2019年から2022年のサイクルで計上した収入は、およそ76億ドル(約1136億2000万円)。AFC管轄ではあるが、日本でW杯アジア予選のアウェー戦が地上波で放映できなくなり、安くない視聴料を払ってもCMが流れるサブスクリプションでしか観戦できなくなったことも、その皺寄せと考えられなくもない。 そう、エスタブリッシュメントの深い欲のツケを払わせられるのは、選手、そしてファンなのだ。 「クラブW杯が終わった時が問題だ」とシティのケビン・デブライネは先月、ベルギー代表戦の前日会見で語った。 「クラブW杯決勝とプレミアリーグ開幕まで、3週間しかないことは誰もが知っている。3週間だけ休んで、また次の80試合に備えるなんて……。彼らには、選手の声よりも、カネの方が大事のようだ」
(「球体とリズム」井川洋一 = 文)
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