「裸の王様には絶対なりたくない」、エネオスHD新社長は多様性追求
宮田社長は東京証券取引所が求めている資本効率の改善について、優先度は高いと強調。自社株買いは「取りあえず2000億円やったけれども、今後どうするという話はこれからも継続して検討していく必要がある」と述べた上で、利益が上振れした場合にはさらに追加で行う可能性があるとの考えを示した。
株主還元の原資となりうる資産売却は「聖域なく」進めていく方針だ。23-25年度の中期経営計画では資産売却で1600億円のキャッシュインを見込んでいたが、初年度で1849億円の実績を出しており既に超過達成している。宮田社長は、エネオスHDは「資産持ちなのでやりようによってはいくらでもできるのかなと思っている」とし、中計期間中のさらなる上積みを目指していくと述べた。
資産売却・キャッシュ創出の取り組みの一環として注目されるのが同社が昨年5月に新規株式公開(IPO)を準備していると発表した主要子会社のJX金属だ。宮田社長はいつIPOに適したタイミングが来てもいいように投資家とも会話を始めており、準備は「着々と進めている」と述べた。具体的な時期については「今はまだ何も決まったことがない」と述べるにとどめた。
タアインハ氏は、エネオスHDはJX金属の株式を「最終的に大半を売る」とみている。同氏は、JX金属は世界的に盛り上がっている半導体材料や銅を手掛けていることから「結構いい値段がつく」とし、エネオスHDはIPOで得られる莫大な資金で「株主還元をするとみている」と語った。
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--取材協力:照喜納明美、エディ・ダン.
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Tsuyoshi Inajima