大谷翔平（AP）

◇２５日（日本時間２６日）　大リーグ　ワールドシリーズ第１戦　ドジャース６―３ヤンキース（ロサンゼルス） 　チームメートが放った劇的サヨナラ逆転満塁弾に、ドジャース・大谷翔平選手は顔を紅潮させて本塁にできた歓喜の輪に向かった。前日に「勝てばなんでもいい」と語った背番号１７は「最高の本塁打で最高の勝ち方を１戦目に持ってこれた」。試合後のインタビューで興奮を隠せなかった。フリーマンの今季の歩みをクラブハウスで試合で見ているからこそ、仲間の夢のような一撃に喜びは込み上げた。 　歴史的な一発につなげたのは１点を追う８回の大谷の快打だった。１死走者なしで甘いチェンジアップをうまくためて捉えた。鋭い打球はあと数十センチで本塁打というフェンス直撃の当たり。ワールドシリーズ初安打となる二塁打に、相手失策も絡んで、三進。続くベッツの犠飛を呼び込んだ。 　「いい打撃だった。１死で三塁まで進めたのは大きかった」。 　そして、最大のドラマが待っていたのは１点を追う延長１０回だった。１死一、二塁で大谷は左邪飛に倒れたが、相手左翼手が捕球後にボールデッドとなる観客席に入り込み、規定で一走と二走がそれぞれ進塁。相手ベンチがベッツを敬遠し、奇跡のようなストーリーが完結した。フリーマンによるワールドシリーズ史上初のサヨナラ逆転満塁弾だった。 　ロバーツ監督は１０回を振り返り、「あの回はとにかく翔平に回せばと考えていたが、相手ベンがベッツを歩かして、フレディと勝負した時によしと思った。自分が目撃した試合の中でも最高の瞬間」。劇的な幕切れに高揚感は募った。ワールドシリーズの初戦を幸先よく先勝した。１９８８年のワールドシリーズ第１戦。ドジャースのカーク・ギブソンのサヨナラ弾がシリーズの流れを決めた。その年以来のワールドシリーズでのサヨナラ弾にドジャースタジアムが揺れた。東西名門対決の流れはつかんだ。　（写真はＡＰ）