【インタビュー】後輩女子にひとめぼれ―すれ違う“好き”描く『ささ恋』瀬戸麻沙美が思う依先輩の魅力
「もうひとめぼれなら仕方ない」恋心抱く理屈の理解に苦労
――依がひまりに恋をする理由については、どう受け止めましたか? 瀬戸:最初は想像するのが難しかったです。ひまりはかわいくて純真で、好きな要素はたくさんあるんですが、私からすると少し構えてしまうところがあって。あまりに純粋すぎて、その純粋さが人の心を揺さぶるところがありますよね? 瀬戸:デートのときも、「いやいや、それは相手を勘違いさせちゃうよ」という場面がいくつもありましたし、そのうえ本人は恋愛としての「好き」がいまいちわかっていない。そういう子を好きでいる感覚ってどんな感じなんだろうと、依の気持ちを落とし込むのに少し時間がかかりました。たぶん依役としてその気持ちに触れていることで、お節介にも依を守りたくなっていたんでしょうね(笑)。ひまりと恋愛するのは大変だぞって。 ――でも、なんとか落とし込めました? 瀬戸:そうですね。この先、どんどんひまりの魅力的な部分が出てきますし、あとはもうひとめぼれなら仕方ないと(笑)。どんな役でも、どうしてその気持ちになったのか、どうしてそういう行動をするのかと、感情や行動の理由を考えるんですが、『ささ恋』はひとめぼれから始まる物語なので。そういう意味では、出会うべくして出会った運命、理屈を超えた「ひとめぼれだから」という理由に助けられました。 ――理屈がわかっているのとわかっていないのとでは、難しさは違いますか? 瀬戸:それぞれに難しさがあるので、理屈でわかったほうがいいのかどうか、どちらが難しいかは断言できないですね。一つ言えるのは、依のはかりしれない理屈を埋めるのが音楽なんだと思います。気持ちを表すうえで音楽が重要な役割を担うので、ぜひ音楽のドラマチックさにも注目していただきたいです。 ――ひまり役の嶋野さんとは現場でどのようなやりとりをされましたか? 瀬戸:嶋野ちゃんも話していたんですが、初めてメインキャラクターを演じるということで、嶋野ちゃんの緊張感がひしひしと伝わってきたんです。同時に、この作品が大好きなこと、役を真剣に考えていることも伝わってきたので、なるべくその緊張感は緩和してあげたいなと思っていました。 以前、ある先輩がおっしゃっていたんです、いいものを持っていても緊張しすぎるといいものは出せないって。その考え方がすごくすてきだと思ったので、自分にできる範囲で現場の緊張感は取り除くようにしています。今回も、役に集中できる環境を作ってあげたい、私が嶋野ちゃんのストレスにならないようにしたいと考えて接していました。