定年後に起業するメリットとは?|シニア起業の例と人気の職種を解説【シン・会社のマナー】
定年後に起業する例と主な職種
定年後に起業する人の職種や働き方は、様々です。これを定年前の会社員人生とのつながりで見ると、今までの仕事の経験を活かして起業する人と、全く新しい世界に踏み出す人に分かれます。両者それぞれの起業例を見てみましょう。 ◆会社員時代の知見を活かす起業は? 定年後の起業としてよくあるのは、専門的な知識やスキルを活かして仕事を始めるケースです。例えば、WEBデザイナーや編集・著述業、教育や商品開発のコンサルタントなど。技術者や職人として独立して仕事を受託する人もいます。これらの仕事は個人でもできるうえ、会社員時代の人脈を活かせるので、比較的起業しやすいと言えるでしょう。 事業としてもう少し大きくやりたいという人は、会社を設立する方法もあります。また、現役時代に身につけた知識や経験をもとに資格を取得して起業する人もいます。たとえば、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などの士業などがそれにあたります。士業は年齢が高くても活躍する場がありますから、定年後に起業する人も少なくありません。自宅を事務所として開業することもできますから、初期投資も比較的少なくてすみます。 ◆新しい世界に挑戦することも 定年後、会社員生活を離れて、定年前とは全く異なる仕事を始める人もいます。例えば、趣味の物品を扱うショップの経営や喫茶店・居酒屋を開店するなど。外国人向けの民泊施設などを開業する人もいます。会社員時代の仕事とは無関係の起業をする人は、定年よりかなり前から計画を立ててきたという人がほとんどです。 これらの事業を実際に始めるには、ある程度のまとまった資金が必要ですから、十分な準備と家族の協力が不可欠になります。
定年後に起業するメリット・デメリット
定年後に起業することは、メリットもデメリットもあります。定年後の起業は、すべてが成功するわけではありません。失敗例も数多くあります。定年後、起業するメリット・デメリットを、それぞれ見ていくことにしましょう。 ◆メリット メリットの一つは、会社員時代に培った知識・スキルを活かせることです。定年まで勤め上げたことで、手にした高い経験値と豊富な人脈は、起業するための大きな武器になります。 二つ目のメリットは、資金的な余裕があることです。定年ともなると、子どもたちも独立して家計に比較的余裕がある人が多くなります。退職金もありますので、起業のための資金は用意しやすいと言えます。三つ目は自分で選んだ仕事なので、モチベーションが保ちやすいことです。定年もないので心おきなく仕事ができるうえ、自分のペースで働けるので時間的余裕もできます。 ◆デメリット もちろんデメリットもあります。デメリットの一つ目は、やはり資金面です。長い老後に備えるには、生活費の確保が重要です。起業のために大きな投資をしてしまうと、家計の危機を迎えかねません。二つ目は、会社の肩書がなくなることのマイナス面です。順風満帆の会社員生活を送ってきた人も、定年退職するとただの人です。 起業後顧客になってくれると思っていた人が、会社を退職すると離れていったという例も少なくありません。これらのデメリットを克服するためには、自分自身を客観的に見る目が必要です。初期投資はなるべく低く抑え、国や自治体の補助金なども利用できるものは利用しましょう。怪しいセミナーなどの勧誘には乗らず、信頼できる人に相談するなどして堅実な計画を立てることが重要です。 事業開始後の見通しについても十分に調査し、起業の意思は家族には早めに伝えておきましょう。