大谷翔平、ついに”最終決戦”へ…WSの主軸打者を徹底比較!カギを握るのは「大谷」でも「ジャッジ」でもなく…?【コラム】
ジャッジはまさかの打点ゼロ…
以降は、ワールドシリーズまでのポストシーズンの成績を取り上げる。まずは地区シリーズだ。 OPS11割超、4打点のスタントン選手の活躍が目立っている。大谷選手もOPSは6割台と低位ながら4打点を挙げ勝利に対する貢献はできている。一方、ジャッジ選手は打点を挙げられないままシリーズを終えている。
両チームのチームメイトが躍動
リーグ優勝決定シリーズの成績は図のようになった。 ソト、スタントン両選手のOPSや勝利への貢献度を示すWPAの高さが目立つ。シリーズ第5戦で決勝本塁打を打ったソト選手はア・リーグ優勝決定シリーズのMVPのスタントン選手を上回る打率やOPSを残した。 ジャッジ選手は、OPSは8割に達しなかったとはいえ、6打点を挙げ一定の貢献をしている。ドジャースでは、大谷、ベッツ両選手がともに3割台半ばの打率や12割近くのOPSを残したが、フリーマン選手は故障の影響もあってか地区シリーズに続き数字が伸び悩んだ。
バレル率はMLB1~4位を”独占”
次に、打球内容の比較を行う。米分析サイト『Baseball Savant』のデータに基づけば図のようになった。 ヤンキースの3選手の打球速度の高さやバレル(一定の打球角度と速度を満たす打球)の割合の高さが目立つ。上記3選手とも時速150キロ台(94~96マイル台)の打球速度を誇り、打席数に対するバレルの割合は、ジャッジは約15%、他の2選手は12%台を記録している。 そうした中、大谷選手はこの3選手に引けを取らない数字を残し、スタントンに次ぐ最大打球速度、ジャッジに次ぐ平均打球速度を記録している。 バレルの割合は、対BBE(バットに当たってインプレーになった打球)、対打席数のいずれも、大谷選手とヤンキースの3選手でMLBの1~4位を独占している。
両チームのスイング比較(レギュラーシーズン)
最後に、スイング指標に基づくスイングの内容を比較したい。レギュラーシーズン、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズの順に図を並べた。 なお、スクエア・アップ率とは、バットスピードと球速からの理論上の最大打球速度の80%超の打球(スクエア・アップ・スイング)を打てた割合で、平たくいえばジャストミートの割合ともいえる。 レギュラーシーズンからは、バットスピードの高いジャッジ、スタントン、スクエア・アップ率の高いベッツ、フリーマン、バランスの取れた大谷、ソトという構図が成り立つ。