『海のはじまり』第4話 古川琴音、有村架純…二人の女性の<選択>を見つめる眼差し
弥生と水季の過去の<選択>
弥生は当時付き合っていた浅井(稲葉友)にエコー写真を見せて、妊娠を伝えていた。すると浅井は「いつするの?手術」と、中絶することを前提にしたような口ぶり。実家の母親に電話で相談してみると、相手が出産を望んでいないことを知るやいなや、「じゃあ堕ろしな」と一刀両断。恋人に自分の想いを伝えられず、親に頼ることもできず、弥生は苦渋の決断をする。 一方の水季は、母・朱音(大竹しのぶ)に中絶を告げて大喧嘩。「母親というだけで偉いのかよ!」、「母親ってうざい!」と思わず暴言を吐いてしまう。だが本心では出産を望んでいることを見抜いた父・翔平(利重剛)に諭され、子供を産むことを決意。親の愛に触れることで、彼女は海というかけがえのない宝を手にすることができたのだ。 あまりにも対照的な二人の境遇と選択。本当の親娘になりきれない夏と海の関係を描いてきたこのドラマは、第4話で弥生と水季のかつての<選択>を描き、キャラクターを深く掘り下げていく。それは、来たるべき夏の<選択>にも影響を与えることだろう。 弥生が告白したあと、二人のあいだには大きなシコリのようなものができてしまっていた。そんなギクシャクした関係は、海が間に入ることで自然に修復される。夏、弥生、海が本当の家族になる日は、いつ訪れるのだろうか。
竹島 ルイ