ポルシェ新型「タイカン」はどう進化? 1100馬力超の史上最強“市販車ポルシェ”「タイカン・ターボGT」の乗り味とは
2019年の衝撃的なデビューから、はや5年。ポルシェ初のEV「タイカン」に大規模なマイナーチェンジが実施されました。 【画像】最強セダン爆誕! ポルシェ新型「タイカン・ターボGT」を写真で見る(27枚)
たとえば、タイカン・ターボSの最高出力は現行型の761psから952psへと強化。0-100㎞/h加速は2.8秒から2.4秒へと短縮されました。 3000万円以上するスーパースポーツカーでさえ0-100㎞/h加速で3秒を切れれば速い部類ですから、2.4秒というタイムがどれほどすごいかがわかっていただけるでしょう。 いっぽうで、EVにとってもっとも大切な性能のひとつである航続距離は、467kmから630kmへと、こちらも大幅に伸びています(タイカン・ターボSの場合)。 これはバッテリー容量を現行型の93.4kWhから105kWhに“増量”するとともに、クルマの空気抵抗や転がり抵抗を減らし、回生ブレーキの容量をより大きくすることで実現したそうです。 もうひとつ興味深いのが充電スピードの高速度化です。 バッテリーの充電容量を10%から80%まで高めるのに必要な時間は、現行型が21分30秒だったのに対して、新型は18分しかかからないとポルシェは説明しています。また、10分間の充電で走行できる距離は、現行型の225kmから315kmまで伸びたとされます(ベースグレードであるタイカンのデータ)。 いま日本で実際にEVに乗っている方々がこれを聞いたら、「えー、いくらなんでも、それはないでしょう?」と思うはず。 そう、なぜなら、これらはドイツなどヨーロッパの一部にある超高速充電器を用いた場合のデータだからです。 ちなみに、新型タイカンは最大320kWの充電容量を備えているというから驚き。なにしろ、日本の高速充電器は50~90kWが大半で、100kWを越えるものはまだまだ少数派だからです。 おそらく、ポルシェが主張するような超高速充電を日本で体験できるようになるには、まだまだ時間がかかることでしょう。 新型タイカンのもうひとつのニュースは、ターボSの性能をさらに上回るターボGTというグレードが新設されたことにあります。 こちらの最高出力はピーク時に1108psという驚異的な性能。しかも、このターボGTを、サーキット走行用にさらに特化させたターボGTウィズ・ヴァイザッハ・パッケージ(以下、ヴァイザッハ・パッケージと表記)というモデルも設定されたのです。 ヴァイザッハ・パッケージは、なんと軽量化のためにリアシートを取り払ったうえで、大型のリアウィングを取り付けるなどして空力特性を強化。この結果、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでは量産EV世界最速となる7分7秒55をマークしたというモンスターマシンです。 スペインのセヴィリヤ地方で行われた国際試乗会では、公道でタイカン・ターボを、モンテブロンコというサーキットではヴァイザッハ・パッケージに試乗したので、その様子を報告しましょう。