収集家に朗報、スイス初の本格ポケモントレカ自販機設置 セキュリティー面は不安なし、なぜなら…
スイスの最大都市チューリヒのショッピングモールの一角に2月、人気ゲーム「ポケットモンスター」や人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」などのトレーディングカードをそろえた自動販売機「コレクトマット」が設置された。 「えっ、そんなことまで言っていたの?」JR上野駅にある一見風変わりな自販機
日本では、カードや飲み物、キャラクターグッズといったあらゆる種類の自販機を駅や路上、ゲームセンターなど至る所で見かける。インバウンド(訪日客)が感動する日本の光景の一つとして有名だ。種類の多さもさることながら「破壊されていない」「売り上げが盗まれていない」とセキュリティー面でも驚かれる。一方で、スイスの事情はどうなのか?トレカ自販機の取材を通じて見えてきたものとは―。(年齢は取材当時、共同通信ジュネーブ支局長 畠山卓也) ▽日本から着想 チューリヒはスイスの中で最も物価が高い街だ。富裕層も多く、中央駅から湖畔や旧市街に向けて少し散歩するだけで、フェラーリやポルシェ、BMWといった高級車と何台もすれ違う。 中央駅から車で走ること約15分。高速道路のインターチェンジ付近にある巨大なショッピングモールに到着した。ここはスイスで最大の売上高を誇るという。その3階に、コレクトマットがある。
設置したニコ・パリスさん(31)は手作りの抽選ルーレットや、当選賞品、オマケを並べてささやかなオープニングセレモニーの準備をしていた。「もちろん私も学生時代にトレカを収集していた。また集め始めたのは4年ぐらい前かな。日本の自販機に着想を得て、コレクトマットを思いついたんだ」 ▽覆いの中から現れたものは 午前9時を回ったところで、パリスさんはコレクトマットの覆いを取り払った。オレンジ色で目立ちやすく、サイズは縦約195センチ、横約132センチ、奥行き約87センチ。側面や背面に愛らしいイラストが描かれている。 タッチパネルで購入ボタンを押すと、リフトが上下して商品を下部の取り出し口まで運んでくれる。商品が勢いよく落下して中身が傷つくのを防ぐシステムだ。 商品は1スイスフラン(約170円)から用意され、キャッシュレス決済も可能だ。「トレカ類は一番高くて49・9スイスフラン。1袋5枚入りで、100スイスフラン以上の価値があるレアカードが入っていることもある。宝くじみたいで興奮するんだ」とパリスさん。