収集家に朗報、スイス初の本格ポケモントレカ自販機設置 セキュリティー面は不安なし、なぜなら…
▽次々と駆け付けるファン 週末の朝にもかかわらず、SNSなどでニュースを聞きつけたファンらが続々と集まってくる。キャラクターの帽子をかぶったり、キーホルダーをかばんに付けていたり、一目でファンと分かる人が多い。 フアン・ロブレスさん(35)は「この日を楽しみにしていた。いろんな種類のカードがあってうれしい」。目を輝かせながら、もっとコレクションを増やしたいと語った。 「子どものときに欲しいと思っていたトレカが(自販機で)簡単に買える」と別の男性(36)。友人の分まで複数の袋を買っていくカップルもいた。 パリスさんは「限定品もたくさん用意した。店で買うより安いし、すぐに売り切れるかもしれない」と興奮した様子で話した。 ▽自販機設置に保守的? 飲み物やスナックの自販機は駅や空港などに設置されている。ただカード類は一般的にゲームや玩具の販売店で取り扱われており、パリスさんによると、本格的なトレカ自販機の設置はスイスで初めてだという。公式の記録はないが、珍しいのは間違いない。
2024年になって「ようやく初めて」というのは、日本人としては驚きだ。「おそらくスイス人はこの手の方法に保守的なんだろう。店員と対面で話し、現金でやりとりすることを好むから」とパリスさんは考え込みながら答えた。確かにスーパーでもセルフレジは空いているのに、店員がいるレジに行列ができている光景をよく見かける。 チューリヒに設置したコレクトマットの売れ行き次第では、国内の他の都市やドイツにも展開したいという。治安の良さで知られるスイスだが「駅や公園に置く気はないよ。屋外は天候の心配もある。ここは大きなモールの中だし、人目も多い。監視カメラだってあるからね」(パリスさん)。 ▽実は「専門家」 キャッシュレス決済が普及してきたため、以前に比べて、壊されて内部の売上金が盗まれる懸念が低くなっているとの背景もあるだろう。ただ、やはり1枚のレアカード単品や非常に高価な5枚入り袋は取り扱わないようにしているという。