人気も価格も高止まり!「絶版400cc4気筒ネイキッド」その中でも意外と手が出せるモデル6選
生産中止から15年以上経過した多くの4気筒400ccネイキッド
世の中、どんな分野でも「ないものねだりの需要」がある。バイクの世界でも同様で、人気が高じた結果、時として中古車市場価格が昔の新車価格の倍以上になるなんてこともよくある。Z1系をはじめとする1970年代のカワサキ空冷系の人気高騰は21世紀を超えてさらに拍車がかかったようだが、国産400ccの4気筒系ネイキッドも負けず劣らず人気も価格も高騰している。そんなカテゴリーから、まだお手頃かもしれない絶版車を検討してみた。 【画像12点】プレミア価格のヨンフォア、CBXから、手が出せそうなXJR、CB400SFまで…歴代4気筒400ccネイキッドを写真で解説 カワサキ・ゼファーに端を発してネイキッドブームが到来した1990年から、国内4メーカーは400cc4気筒のネイキッドモデルを相次いで登場させた。ホンダはCB400Super Four(以下SF)で市場に本格参戦し、ヤマハはXJR400を、スズキはGSX400インパルスを投入。しかし、2022年までCB400SFシリーズ生産していたホンダを除き、ヤマハとスズキは新規の排出ガス規制がかかる2008年にこのカテゴリーから撤退。 またゼファー(400)を大ヒットさせたカワサキは、その勢いを借り1994年には水冷4気筒のZRX(400)を投入し、空冷と水冷の2モデル体制で同カテゴリーを賑わせた。また1996年には空冷のゼファーを改良して4バルブ化したゼファーχを発売。ただし、カワサキも排出ガス規制強化への対応を迫られて2008年に生産終了を決定。翌2009年にゼファーχのファイナルエディションを発売して終了となったのも記憶に新しいだろう。 2022年にホンダのCB400SFも生産終了し、400cc4発のネイキッド系モデルは全滅。そもそも排気量が400ccフルスケールの4気筒自体が、カワサキのスーパースポーツ、ZX-4R/RR以外にないという現状だ。
「中免ライダー」の憧れた、クラシック400cc名車の中古価格
歴史を少し遡ると、日本のバイクメーカーが世界的に名声を高めたのが大排気量4気筒モデルだった。ご存知のようにその先駆は空冷OHC4気筒のCB750Four(1969年)や、カワサキの空冷DOHC4気筒900ccの900Super4(Z1/1973年)。国内版はこれを750cc化したZ2こと750RSだったが、ホンダCBとカワサキZの登場で高性能=4気筒モデルのイメージが定着した1970年代半ば以降、これを免許人口の多い中型二輪免許ライダー(当時)向けの400ccクラスに投入するのは自然な流れだった。 先鞭となったのはOHC4気筒のCB400Fourで、カフェレーサー風の配色やデザイン、曲線の効いた4into1のメッキ集合マフラーを特徴として、ヨンフォアまたはフォーワンの愛称で今なお人気が高い。ただし、同車はCB350Fourの発展型であり、高性能を第一に追求した4気筒ではなかった。400cc4気筒に本格的に高性能を追求して登場したのは、カワサキ Z400FXからだろう。DOHC4気筒を搭載した同車も前述のCB400Fourと同様、人気に拍車がかかり、現在は手の出しにくい高価格になっている。 1980年代も高性能4気筒400の人気は続き、ホンダもCBX400Fを投入。こちらも程度の良い中古車は超高値が付いている。1980年代にはこれに続くカタチでヤマハがXJ400シリーズを、スズキはGSX400FやGSX400FSインパルスといった4気筒車で同カテゴリーに追随したが、上記のホンダ、カワサキ車ほどの人気を獲得することはなかった。 だがブームは移ろい、1980年代半ばからの国内バイク界は、より先鋭的な性能へと向かった。カウル付きモデルの認可を経て、レーサー直系を謳った高性能なレーサーレプリカブームへと進んでいった。つまり、前述したようなそれ以前のカウルなしモデルの時代は、ネイキッドという呼び名は存在しなかったのだ。