Reiが語る、人生の変革期にギターと真正面から向き合うことの意味
MONJOEとの邂逅、「人生のクロスロード」で見つけたもの
―それから今作『XINGS』では「Heaven」「BLACK&WHITE」「Good Job!」の3曲でMONJOEさんがプログラミングとアレンジを手掛けているのもトピックです。BE:FIRSTからNumber_iまでの作品を手掛けて今を時めく存在である彼とは以前からお知り合いだったんですか? Rei:確か2018年だったかな、GLIM SPANKYのイベントで彼がDATSで出演したときに対バンしたことがありました。それ以降は会っていなかったんですけど、今回打ち込みとかトラックメイキングで新しい方と一緒にやってみたいという気持ちがあったなかで、彼とコラボレーションしたいと思いまして。 ―やってみて、どうでした? Rei:名うてのミュージシャンやプロデューサーと一緒にやる際、その人の抱えているたくさんの仕事のうちの自分はひとつにすぎないんだなと感じてしまうときがあって、そういうのってやっぱり切ないし士気も下がるんですけど、MONJOEくんはこんなに引く手あまたでありながら私の音楽や姿勢に対してすごくリスペクトを持って密に取り組んでくれて、それが何より嬉しかったです。 それから人によってアレンジの流儀や理念みたいなものがあると思うんですが、私は入っている楽器は全部ちゃんと立たせたいと思っています。例えばお芝居で言うところのエキストラという考え方――賑やかにするために人を入れるみたいなことが好きじゃなくて、サウンドで言うと厚みや華やかさを出すためにラインが聴こえない楽器を重ねるというやり方は私流ではない。入れた全ての楽器の音に意味がある、かさ増し要因的な楽器は必要ない、っていうのが私の考え方で、その点において彼と合致したのも嬉しかったです。 ―最後にアルバムのタイトル『XINGS』にはどういう意味を込めたのかを教えてください。 Rei:アメリカではXINGSという道路標識があって、十字路、交差点の意味ですけど、それを用いて”ギターと私が出会う場所”、“古い私と新しい私が出会う場所”、“私とリスナーが出会う場所”を表現したいというのがありました。それともうひとつは、ブルーズにおいてクロスロードというのが象徴的なモチーフだったりするので、その意味も込めて。 ―親しい人を亡くして音楽を嫌いになりかけたけど、そこからまた気持ちを新たに音楽に向き合うようになったという話をさっきしてくれましたが、そうした体験も含め、ミュージシャンとして今、人生のクロスロードに立っているといった実感があったのでしょうか? Rei:確かにそれもあったんでしょうね。今までも真正面からギターに向き合った作品を作ろうと思いつかなかったわけではないんですけど、やるなら今だという気持ちになったのはそれも関係していたかもしれない。あと、機が熟した感じが自分のなかにあって。どうしてもっと前にこれが作れなかったんだろうと考えてみたんですけど、やっぱりいろんな変遷を経てきて、これを作れる自分にようやくなったということだと思うんです。ジョニー・ウィンターとかアルバート・キングとかエリック・クラプトンといったミュージシャンには、聴いたらすぐにこの人だとわかる音がある。自分もそういうふうにシグニチャーサウンドを意識した作り方をずっとやってきたんですけど、今回ようやく自分にしか出せない音の片鱗が見えた気がしています。この作品が次のステージに私を連れていって、違う景色を見せてくれるという手応えがあったし、そういう予感に胸を躍らせています。 --- Rei Mini Album 『XINGS』 発売中 Rei 10th Anniversary Live 2025 “BLU CROSSROAD” 2025年2月9日(日)東京・LINE CUBE SHIBUYA Rei Release Tour 2024 “SIX XINGS” 2024年11月1日(金)岡山:YEBISU YA PRO 2024年11月2日(土)静岡:UMBER 2024年11月8日(金)名古屋:JAMMIN’ 2024年11月10日(日)大阪:味園ユニバース
Junichi Uchimoto