みかん・サトイモが「小さい」…台風少なく“渇水”の影響か、価格も高騰 “甘み凝縮”嬉しい側面も 愛媛
日テレNEWS NNN
今年も気がつけば、残り1か月ほど。そんななか、年末年始に欠かせない食材に異変が起きています。 ◇ 都内のスーパーで、お客さんが買っていたのは… 客 「なかなか冬にきらさないフルーツって、みかん」 寒くなると恋しくなる“こたつみかん”。ただ、今年は… アキダイ 秋葉弘道社長 「全般的に小さいけど甘いから、小さいの我慢して食べてもらうのはいいのかな」 西日本産のみかんが、小ぶりに。仕入れ値も上がり、店頭価格を例年に比べて2割ほど上げたというのです。 客 「値段はちょっと上がっていると思います」 さらに… 秋葉社長 「サトイモが大きい粒のものが非常に少ないイメージですね」 お雑煮に入れるサトイモも大きいものが少なく、店頭価格を2割ほど上げたといいます。その訳は、統計開始以来、最少を記録した今年秋の台風の少なさです。その影響もあり、降水量が少なくなり、西日本を中心に水がかれる“渇水”が深刻化し、農作物に影響が出ているのです。 西日本のダムの貯水率をみてみると40%を切っているところも多く、すでに取水制限が行われているところもあります。愛媛・鹿野川ダムの貯水率は0%で、今月1日からこの状態が続いています。 このダムは渇水の際、貯めた水を川の下流に流すなどの役割を担っていますが、0%に陥ったことで、ダムの底にある水を緊急的に放流し対応しているということです。 ◇ 愛媛・八幡浜市で24日、収穫を迎えたみかん農家では… コウ果樹園 二宮江さん 「温州みかんといいまして、雨が降らなかったことによって太らなかったみかんっていうのが、こちらのSSサイズ」 9月の降水量が極端に少なく、木が弱りみかんが大きくならなかったといいます。 ただ、嬉しい側面も。 二宮さん 「小さいみかんの方が味がぎゅっと凝縮されるので、甘みもあって」 水分量が少なくなった結果、味が濃くなり、甘さが強いといいます。ただ、心配していたのは“来年のこと”だといいます。 二宮さん 「1回弱ってしまうと、元に戻るのがなかなか難しい」 今後も雨が降らない状態が続くと、来年うまく芽が出ず、実がならない可能性を懸念していました。 ◇ 隣の大洲市ではサトイモに影響が出ていました。 7月から10月まで、田んぼに週に1回は水をはり、水分を吸収させることが重要ですが… サトイモ農家 竹岡宏晃さん 「本当はもう少し大きくなっていないといけない。それが、これぐらいだからね」 記者 「全然違いますね」 本来、成長するはずのサイズと比べると、今年は小さすぎるものが多いというのです。 竹岡さん 「廃棄。もうだめ」 小さすぎるものは出荷できないため、廃棄するしかなく、売り上げも3割ほど減る見込みだということです。