1994年の世帯所得をいまだに超えられない! 株価は上がっても所得は上がらない厳しい現実
世帯所得の中央値は423万円で平均より122万円も低い
同じく厚生労働省の国民生活基礎調査で、世帯所得の中央値も確認してみました。平均値は一部の高所得世帯の影響を大きく受けるので、中央値のほうがより実態を表しているともいえます。グラフは1985年から2021年までの推移です。2019年(2020年調査)は新型コロナウイルス感染症の影響で調査していません。 ※中央値…所得を低いほうから高いほうへ順に並べて2等分する境界の値 図表2
厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」より筆者作成 2021年度の中央値は423万円で、平均所得545万7000円より122万円も低く、平均所得以下に616%の世帯が入っています。つまり、一部の高所得世帯が平均値を大きく上げているといえます。 中央値の36年間の推移は、先ほどの平均世帯所得(総数)と似たような傾向にあります。直近2021年の中央値は423万円ですが、1993年と1995年は550万円あったので、26年で127万円も減っています。 平均値だけでなく中央値も大きく減っているということは、過去20~30年で私たちの生活は相当厳しくなっているといえます。特に最近はインフレや円安等の影響で家計支出が増加傾向にあることから、多くの人が厳しさを感じているのではないでしょうか。 平均値や中央値を上げることは国全体として考えていかなければなりませんが、厳しい時代でも個人レベルでできることはいろいろあります。コツコツと資産運用や節約等をして、世帯所得を増やす努力をしていきましょう。 出典 厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 執筆者:松浦建二 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部