希望に応じて学べる所に 和歌山県が夜間中学の計画案、新宮に26年度
和歌山県教育委員会は18日、2026年4月に新宮市に開校予定の県立夜間中学について設置基本計画案を公表した。さまざまな事情で十分に教育を受けられなかった人が、夢や希望に応じて学べる学校を目指す。来年2月に策定の予定。 【夜間中学のこと知って 開校に向け機運高める、和歌山・田辺の記事はこちら】 県内で、戦中戦後の混乱などを要因に、義務教育を修了しないまま学齢期を過ぎた人は9286人いることが20年国勢調査で分かっている。また、在留外国人は昨年末現在で9090人いる。 夜間中学はこういった義務教育を修了していないか、不登校などさまざまな事情で十分に学べないまま中学校を卒業した人が対象。県内に在住か勤務し、満15歳になってから最初の3月末を過ぎている、といった要件がある。国籍は問わない。 県内では来年度予定の和歌山市に次ぐ、2校目の開設となる。全国では今年4月現在、53校が設置されている。 県は来年2月議会に、夜間中学設置に関する条例案を提案する予定。 ■現・新翔高校に設置 夜間中学は、26年度に新宮高校と統合することで余剰となる新翔高校校舎内(新宮市佐野)に開設する。 3学年で各学年10人程度とする。修業年限は、学校教育法に基づく中学校となるため3年だが、本人の希望などから判断し、最長9年まで在籍が可能になる。月~金曜の夕方から夜にかけ、40分授業を4単位時間で実施。授業料や教科書代は無償で、端末を1人1台配備する。 県が新宮・東牟婁在住者を中心に194人にアンケートしたところ「学んでみたい」と答えたのが26人、「夜間中学のことを知らせたい人がいる」が28人いた。また「中学校3年間、ずっと行けなかった。中学の勉強がしたい」「不登校の子が将来学べる場所があることは安心」など歓迎する声が寄せられたという。 ■意見募集、校名案も 県教委は12月17日まで、設置基本計画案について県民の意見を募集している。 資料は、ビッグ・ユー(田辺市新庄町)内の紀南教育事務所、紀南教育事務所東牟婁駐在(新宮市緑ケ丘2丁目)や、県、県教委のホームページなどで閲覧できる。意見は郵送やファクス、電子メールで受け付ける。 校名案も募集している。誰でも応募できる。12月9日まで。 問い合わせは、県教委義務教育課(073・441・3662)へ。
紀伊民報