中村勘九郎、父の十三回忌迎えるも「まだ実感わかない」、七之助は「法要は残酷」
歌舞伎俳優の中村勘九郎(43)、中村七之助(41)が12日、都内で、松竹創業百三十周年「猿若祭二月大歌舞伎」の取材会に出席した。 【画像】中村勘九郎、父の十三回忌迎えるも「まだ実感わかない」、七之助は「法要は残酷」 「猿若祭」は、1624年に、初代中村勘三郎が後の中村座となる「猿若座」の櫓(やぐら)を上げ、江戸で初めて歌舞伎興行を創始したことを記念して始まった公演。 今回が6度目の「猿若祭」で、昼の部に上演される「きらら浮世伝」では、2012年に亡くなった中村勘三郎さんが、勘九郎時代に演じた“蔦重”こと蔦屋重三郎を当代・勘九郎が、遊女・お篠を七之助が演じる。 くしくも来年のNHK大河ドラマが蔦屋重三郎の物語。勘九郎は、「江戸の芸術家だったり、若い才能たちが爆発していた青春群像劇をやるっていうのがとてもうれしくて、『きらら』はいつかやりたいと思っていたので、このタイミングしかないと思ってやらせていただく」と意気込んだ。 七之助は、「この作品は、父と食事をする時に毎回出てきて、稽古が壮絶だったことは100回以上聞いている。『お前ら役者だろ、鼻血が出るまで考えてこい』って怒号が飛んでいたっていう。今の世の中ではハラスメントの極致みたいな稽古場だったと。それがいい思い出だった」と親子のエピソードを明かし、「父があれだけ言っていたことを忘れずに、思いを胸に稽古に臨みたい」と背筋を伸ばした。 今年は「十三回忌追善公演」も多く行い、今月5日には命日を迎えたばかり。勘九郎は「法要ができたのもよかったですけど、たぶんまだ実感がない。生きていてもまだ60代。来年70(歳)でしょ?まだ実感わかないなって感じ」と素直な思いを吐露。 七之助は「不思議な人で、年数を重ねていけばいくほど(存在が)近くなってくる。2、3日に1回は夢に出てきますし、死んでから距離が近くなっている感覚」と話し、「法要ってなかなか残酷で、『あ、死んだんだ』って現実を突きつけられている感覚でした」と振り返った。 歌舞伎座で来年2月2日~25日まで。
テレビ朝日