露の団四郎さんが「三代目露の五郎」を襲名へ 大阪で来年10月に披露公演
上方落語家の露の団四郎さん(69)が令和7年10月に「三代目露の五郎」を襲名することが決まり、13日、大阪市内で記者会見が行われた。師匠である二代目露の五郎兵衛(1932~2009年)の前名を三代目として継ぐことに、団四郎さんは「まだまだ師匠の足元にも及びませんが、私なりの五郎になっていきたい」と決意を述べた。 団四郎さんは福岡県出身。昭和52年に二代目五郎(当時)に入門した。61年には師匠の五郎兵衛に続き、江戸時代に生まれた即興喜劇「大阪にわか」の名跡「一輪亭花咲(いちりんてい・はなさく)」の四代目も襲名し、伝統文化の継承にも努めている。 上方落語協会の会長も務めた先代は、平成17年に上方落語の始祖「露の五郎兵衛」の名跡を二代目として襲名。怪談噺や人情噺を得意とし、団四郎さんも「怪談噺は師匠のやり方を継承したいし、新作もやりたい」と意欲を燃やす。 一門を代表して挨拶した姉弟子の露の都さんは、「寄席や落語会に『露の五郎』の看板がまた上がるのがうれしい。朗らかで明るい、新しい露の五郎を築き上げてほしい」と期待した。 師匠からは「お客さまのことを考えて芸をしなさい」と教えられたといい、「常に笑顔でニコニコを心がけています。師匠に言われたことを守り、コツコツとまじめに芸道を進んでいきたい」と語った。 襲名披露公演は来年10月24日、大阪市中央区の国立文楽劇場で開催される。(田中佐和)