ソロ本塁打を放った吉川尚輝を迎える阿部慎之助監督（カメラ・小林　泰斗）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人７―１中日（１６日・東京ドーム） 　全試合に出場中の３、４番が２試合連続アベックアーチを放ち、赤星が好投。最終盤の大事な一戦で素晴らしいゲームになった。 　岡本和は外寄りの抜いた球を左翼に運んだ。調子の悪い時はボールをつかまえる前に体を振ってしまう傾向があるが、昨日もしっかりとバットでつかまえる感じが出ていた。残り１２試合で６本打てば、７年連続３０号。彼が打つことは、そのままチームの勝利、つまりは優勝に近づく。限られた選手にしか挑戦できない記録だし、数字にもこだわってやればいい。 　吉川は９月の打率（４割３分４厘）が示すように、状態がすごくいい。早めにトップがつくれてバットが内から出ているので、ポイントを前に出されても、差し込まれても対応できる。 　３回のヒットは追い込まれてからの緩いカーブを中前に運んだ。バットが外から出ていたら一、二塁へのゴロにしかならない。６回の５号ソロは、初球のチェンジアップを右翼へ。捉えるポイントがいいから力感がなくても飛距離が出る。 　２人の一発もさることながら、６、７回と追加点が欲しい場面でタイムリーを打ったオコエも見事。試合を決する打撃だった。（野球評論家・清水　隆行）