【ドバイ現地レポ】中東最大のテックイベント「GITEX GLOBAL 2024」に世界6500社集結、日本スタートアップも高い評価
毎年、世界中のテクノロジー愛好者、スタートアップ企業、そして業界のリーダーたちが集まる一大イベント「GITEX GLOBAL」と「GITEX Expand North Star」がある。2024年も10月13日から18日にかけてドバイで開催され、新たなビジネスチャンスと未来のイノベーションを探る絶好の機会を提供する。JETROが日本発スタートアップの中東進出を支援する目的で、日本からは有力新興企業22社を集結させ、「J-Startupパビリオン」として出展している。 日本ブースや「空飛ぶクルマ」展示の様子など、もっと写真を見る
GITEX GLOBALの魅力は
GITEX GLOBALは、世界最大級のテクノロジーイベントとして近年特に注目を集め、今年は世界中から6500社以上の企業が参加する。AI、5G、クラウドコンピューティング、先端モビリティ、フィンテック、Web3など、未来をけん引する分野のプレイヤーが一堂に会することで、企業間のコラボレーションや新たなビジネスチャンスが生まれる場となっている。一方、GITEX Expand North Starは、スタートアップに焦点を当てたイベントで、新進気鋭の起業家、投資家及びベンチャーキャピタル(VC)が参加し、より緊密な協力関係により、次のフロンティアを育成することを目指す。 この二つのイベントは、テクノロジーの最前線を体験できるだけでなく、新興市場への進出を目指す企業にとって重要な足がかりとなる。特にドバイは、地理的にも東西の交差点に位置し、ヨーロッパ、アフリカ、アジアのマーケットにアクセスするための戦略的な拠点である。実際に来場者も国際色豊かで、英語やアラビア語、中国語などが飛び交い、商談がいたるところで行われる熱気ある大会という印象だ。
Xpengの「空飛ぶクルマ」が最大の目玉展示に
「未来のAIエコノミーを築くグローバル・コラボレーション」をテーマとするGITEX 2024では、AI技術とその経済に与える影響に焦点を当てようとしている。フォーチュン・ビジネス・インサイト社は、世界のAI市場が2024年に約6210億米ドルに達し、2032年には2兆7000億米ドルになると予測している。この急速な市場拡大を受けて、GITEX GLOBALは、AI技術とその様々な分野への応用を中心にプログラムを組んでいる。Google、NVIDIA、Microsoftなどの世界大手が最新のAI技術を披露するほか、医療、金融、教育、サステナビリティにおけるAIの活用も見どころだ。 最新テクノロジーを体感できる展示も盛りだくさんだが、中でも特に注目されるのは、中国の新興EVメーカー小鵬汽車(Xpeng)の関連会社である「小鵬匯天」による空飛ぶクルマの展示だ。Xpengは、自動運転技術の開発で先駆けており、近年は空のモビリティ領域にも進出している。GITEXで展示されたのはコンセプトモデルとのことだが、実用化に向けた技術の進歩を示した。未来の都市交通がどう変わるのか、その一端を垣間見れるということで、アラブ首長国連邦の王室たちも見学に来るなど周囲は常に人だかりを集める。 会場一の展示スペースを誇る中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)もGITEXに出展、5G技術やクラウドサービス、AIソリューションなどを展示する。特に次世代通信技術を基盤にした未来のスマートシティ構築に向けたソリューションや、油田・ガス田のデジタル化ソリューションといった現地で注目度の高い製品が披露され、来場者に対してインタラクティブなデモンストレーションが行われていた。