＜巨・D＞7回、ソロを放ったオースティンを出迎える三浦監督（撮影・西尾　大助）

　◇セCSファイナルステージ第2戦　DeNA2―1巨人（2024年10月17日　東京D） 　「2024　JERA　クライマックスシリーズ（CS）　セ」のファイナルステージ（6試合制）の第2戦が17日に行われ、DeNAが巨人を2―1で下して2勝1敗とした（巨人にリーグ優勝のアドバンテージ1勝）。1―1の7回先頭でタイラー・オースティン内野手（33）が右越えに決勝ソロ。3位から「成り上がり」での日本一を狙う三浦大輔監督（50）に、大きな白星をプレゼントした。 　ファンが一発を願えば、打つ。それがオースティンだ。放たれた白球は、相手ファンで埋まる東京ドームの右翼席に着弾。待望のCS1号はリーグ王者から2連勝を決める、値千金の一発だった。 　「一発を狙っていたわけではない。高めの球を振り抜こうと思っただけ。感触は良かった」 　同点とされた直後の7回。マウンドには天敵の菅野がいた。今季もレギュラーシーズンは6打数1安打など通算22打数3安打、打率・136、0本塁打、0打点、11三振の天敵。本人にも「三振ばかりしている」と自覚がある。この日も初回、4回にともに三振。バットに意地とプライドを込め、4球目に投じられた外角高めのツーシームをしばき上げた。その瞬間、三塁ベンチで雄叫びを上げた三浦監督も「凄い盛り上がった。勢いもついた」と主砲の一発を称えた。 　米国でモデルとして活躍する愛妻のステファニー・ダナさんが来日中で、今回のCSも球場で観戦。ただ、前日は3打数無安打で「私が見ていると打てないの？」と落胆された。困惑しながらも「そんなことはないさ」と返事。一夜明けた試合でスタンドの愛妻に一発をプレゼントした。 　三浦監督のことは愛称の「バンチョー（番長）」と呼ぶ。今季首位打者を獲得したタイトル争い中も打席数、安打数を逆算して試合に出場させてくれた。来日初タイトルの恩は忘れず「いつもコミュニケーションを取ってくれる」と信頼も寄せている。同じ91年生まれの筒香も親友。前日の筒香の代打適時打も喜び「語り合わなくても理解し合える」と誇る。 　チームから愛される助っ人がCS4連勝をもたらす一発。18日に勝利すれば、一気に日本シリーズ進出に王手がかかる。「一丸で野球ができている。また明日も同じ熱量で臨みたい」とオースティン。バンチョーとともに、成り上がりでの日本一を見据える。（大木　穂高）