平安時代も一緒⁉ 男ウケがいい女性は「コミュ力」と「ある能力」が高かった! さて、何が得意だとにイケメン達にモテた?【大河ドラマ『光る君へ』#17】
斉信はききょうに言い寄るも...。ききょうの個性は男女関係においても炸裂か
本放送では、斉信(金田哲)がききょう(ファーストサマーウイカ)に言い寄るシーンがありました。 「なぜ返歌をくれぬのだと」 「あら そうでしたかしら?」 「とぼげるな。俺を こけにするとは けしからん」 「深い仲になったからといって自分の女みたいに言わないで」 「男が出来たのか?」 「そういうことネチネチ聞く あなたは本当に嫌」 『光る君へ』17話 ききょうは家柄が特別よいわけでもなく、女房勤めの身、一方で斉信は道長(柄本佑)とも対等な付き合いが許される上流貴族。身分の違いがあっても自分の気持ちをはっきりと口にし、うまく交わすききょうはおみごとといったところ。 男友達と軽くもめ、彼氏の話になぜかなったときの女性の心中をききょうの台詞「そういうことネチネチ聞く あなたは本当に嫌」は代弁しているようにも受け取れます。現代でも男友達と少し口論になると、そこから彼氏の有無に話題が飛んでしまうことってあるあるですよね。 「う~ん。ちょっと疎ましい」と思いつつも「ネチネチ聞くあなた鬱陶しいわ!」とはなかなか言えないもの。貴族の男性にも媚びず、自分の思いを偽りなく伝える姿に、多くの女性たちが「すごい!さすが、ききょうさま」と思ったはずです。 また、ききょうはまひろに夫や息子という概念にとらわれず生きたいと、自分の気持ちを第14回で話していました。自分らしい生き方を当時の社会規範を超えて見つけようとする彼女ですが、男性から自分の女のように扱われることについても快く思わないのでしょう。 前述のように史実においても、清少納言と斉信は恋人関係にはなかったものの、親しい関係にありました。清少納言は斉信から好意を抱かれているからといって浮かれたり、仕事を怠ったりすることはなかったよう。斉信から夜に会わないかと誘われたときも女房の仕事を優先しています。翌朝、斉信は清少納言のもとを訪れたそうですよ。 つづきの【後編】『平安時代の人々も「精神病」になっていた。 とくに女性は、がんじがらめで自由なし。「そりゃストレスたまるわ」』では、平安時代も悩まされた不眠症や統合失調症などの心の病について、その治療方法について解説します。 参考文献 ・木村朗子『紫式部と男たち』文春新書 2023年
ライター・アメリカ文学研究者 西田梨沙